過去ログ - 垣根「君が教えてくれた花の名前は――」
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986:ちょっと残りがあれだから詰め込む ◆1yXtrQq8OHOj[saga]
2013/06/26(水) 00:53:26.05 ID:cLJOi0dEo

「お前らの街を壊したりはしない。
ただ、暗闇の五月計画、これに決着をつけてくるだけだ。
多分、考えるまでもなくこれがたったひとつの冴えたやり方だったンだ。
俺を殺せば、あいつらはどこへでもいけるンだ。
あいつらが過去と決別するために、俺はあいつらに殺される道を選ぶ」

自分が消えたら絶対能力者進化実験も頓挫する。
今抱えている問題は、第一位という自分の存在が消えたら解決すると一方通行は言い切った。

「バカじゃないの?
あなたと帝督が本気で戦ったら間違いなく死ぬのはあなたじゃなくて帝督よ」

「本気でたたかうわけねェだろ」

「それこそもっと馬鹿よ。
そんな茶番仕掛けただけでこの街が止まると思ってるの?
あんたは間違いなくこの街で一番強くて勉強もできるみたいだけど、頭は意外と悪いのね」

「あァ?」

「もしも、本気であんたらが戦って帝督が勝ったとしたら、あの人に実験が横滑りする。
事態は何も変わってない。
もしも、あんたがわざと負けて命を落としたら、妹達は利用価値なしと判断されて処分されるでしょうね。
事態はより悪くなっていく」

淡々と落ち着きはらった声で心理定規は話す。

一方通行が死ぬことが惜しい、というよりは一方通行が死ぬことで事態がますます混乱するから迷惑だと言っているようだった。
その諭し方は、まっすぐな一方通行には思いのほか効果的であった。

「……じゃあ、俺はどォしたらいいンだよ。
俺が上条とくだらねー事うだうだ言ってなきゃ、垣根帝督と絹旗最愛はこんなところで再会なンざしなかったはずだ。
俺は、もう絹旗最愛も垣根帝督も傷つけねェと決めたのに……ハッピーエンドをくれてやると言ったのに……。
このままじゃあまた、絶望させちまう」

静かな迫力のある声を絞り出す一方通行の表情に、暗部組織の三人娘は見覚えがあった。

それは、自分が罪人であると自罰的な無茶をする者の顔つきと似ていた。


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