過去ログ - 垣根「君が教えてくれた花の名前は――」
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ちょっと残りがあれだから詰め込む
◆1yXtrQq8OHOj
[saga]
2013/06/26(水) 00:55:39.30 ID:cLJOi0dEo
「フレメア、私がわかる?」
精一杯の笑顔でそう言うと、
「……」
フレメアは何も言わずに首を横に降った。
当たり前ってわけね。
別れたのがこの子が一歳になるかならないかの時の事だもん。
でも、私は気づいたら泣いていた。
あー。
あー。
あー。
子供のように大声で泣いた。
「だいじょうぶ?」
泣き続ける私にあの子は抱きついて必死に私の顔に手を伸ばして来た。
それをみて、私は決心したんだ。
『この子だけは、守ってみせる。
この子だけは、幸せにしてみせる。
この子と、生きよう』
そう、決心したんだ。
それから、私はフレメアを孤児院から引き取り、ちゃんとした施設へ入れた。
そして、私は人を殺す生活をはじめた。
そのうち暗殺組織、みたいなところにスカウトされて、その組織が潰れそうになったら仲間を売って生き延びて来た。
そして、たどり着いたのがこの街。
それが、今から三年前かな?
この街にいれば、学生ってだけで金がもらえる。
その綺麗な金は、一銭も手を付けてない。
全てフレメアへ行くようになってる。
私は、自分の殺して来た奴らの血で汚れた金だけで生きてる。
それで生きられなくなったら、潔く死のうと思ってた。
でも、この街に来て二年たった時、
「お姉ちゃんに会いたい」
とフレメアからいきなり手紙が来た。
意味がわからなかった。
あの子は私の事なんか知らないはずなのにって。
私の事がフレメアに知られたのは、新しくいれた施設の人間の優しさだったとあとで知った。
私が残した通帳から、私の居場所まで辿り着くなんて相当な苦労をしたと思う。
でも、それ程までに優しい人間がいる場所にいれる事が出来たのを、良かったと思う気持ちのが強かったかな。
今思えば、フレメアを施設に預けるなんて、馬鹿すぎるっわけよ。
どこから持ち出したかわからない、私がフレメアを抱っこしている写真も同封されていた。
「私を、あの孤児院から出してくれた人を私は覚えてる。
あの人が、お姉ちゃんなんだよね?
毎月すごく沢山お金が振り込まれるこの通帳も、お姉ちゃんが残してくれたんだよね?」
そんな事も書いてあった気がする。
私の中で何かが変わった。
なんとしてでも、明るい世界に帰って、フレメアにもう一度だけ会おうと思った。
その日から、私は明るい世界に憧れた。
だから、放っておけないってわけよ!
だって、今の一方通行は……はじめて人を殺した時の私みたいな、絶望しかない顔をしているから。
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