過去ログ - フィアンマ「あ、あん、安価で世界を」上条「あんかけが何だって?」
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[saga]
2012/11/27(火) 22:08:29.03 ID:6s0IazCV0
《ちょっとだけ更新します》
上条当麻は疲れていた。
人間は、疲れていると大事な判断を間違えてしまう生き物である。
上条「ガラス麺のシンデレラーメン…ガラスっぽい歯触りをお楽しみいただけます…?」
結果として、上条少年が新しいからとただそれだけの理由でそのラーメンを選んだのは、疲労のせいである。
フィアンマはというと、そんな上条の選択を訂正させる訳でもなく、自分が何を食べるかで悩んでいた。
ハズレないもの、ハズレないもの。
彼女の思考に対し、その精神に融けている『原典』は最適な答えを出す。
即ち、平均的な値段の、平均的な味の、ちょっぴりネギの多いネギラーメンである。
焦がしネギなので少し苦いかもしれないが、フィアンマは自分の思考を信じることにした。
そして。
現在、上条は口の中の非常事態に不幸だと呻くことも出来ないまま項垂れていた。
シンデレラスープ。
それはノンアルコールカクテルの一種である、『シンデレラ』そのもの。
作り方は簡単で、オレンジ・ジュース、パイナップル・ジュース、レモン・ジュースをカクテルしただけのもの。
単品として飲む分には美味しいのだが、如何せん、ラーメンの麺には合う筈もなく。
加えて、上条の口の中で禍々しく存在を主張している細麺は、まるで針金。
噛んでも噛んでも一向に小さくなる気がしてこない。
ううう、と小さく項垂れる上条に対し、フィアンマは僅かばかりの哀れみを抱いた後。
半分程量の減った丼を上条の前に差し出した。こちらはいたって普通の、前述通り、ネギラーメンである。
上条「…いいのか?」
フィアンマ「飲み込めん程不味いのだろう?」
上条「……お前さ、ちっちゃい頃から『いい子』って言われてこなかったか?」
フィアンマ「そうだが」
だよな、と相槌を打ち、上条は涙目で感謝の言葉を口にしながら残りをいただいた。
不幸でも幸運でもない日だ、と思いながら。
帰宅し、洗濯物の片付け。
何度目かの洗濯機の扱いを教えながら、上条は一人増えた日常にそれなりの安らぎを感じ始めていた。
上条「さて、と。風呂入って寝ますかー」
フィアンマ「…ん」
フィアンマは、上条とだいぶ打ち解けているのを感じていた。
それと同時に、こんな暮らしがいつまでも続けばいいと、祈ってしまっていることも。
そして、そんな都合の良い未来は、訪れないということも。
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