過去ログ - フィアンマ「あ、あん、安価で世界を」上条「あんかけが何だって?」
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206: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2012/11/29(木) 22:32:54.84 ID:DG9s9d1r0

フィアンマ「…見ての通りだ」

しれっ、という効果音でもつきそうな自己紹介。
そんな言葉を受け、それ以上深くは突っ込まずに、追い出すことは妥協する形でステイルは歩く。
今回のことは珍しく自分ひとりが向かわせられた仕事なのだ。
そして、一刻も早くインデックスを助ける為にも、どうしても手伝いたいという人間が居るなら、力になってもらった方が事は早くて済む。
やがて目的の階へと辿り着き、ガチャリとドアを開けた先。
エレベータが開いた。干渉出来ない筈の、エレベーターが。
中から出てきたのは、一人の青年。

緑に染めたオールバックの、長身の男。
パラケルススの末裔たる、チューリッヒ学派の錬金術師。
アウレオルス=イザード。
元ローマ正教の『隠秘記録官』である。

『虚空年代記』に干渉されるまでもなく彼の素性を知るフィアンマは、目を瞬いた。
怯えや緊張ではなく、不思議だといった様子で。

フィアンマ「…アウレオルス=イザードか」

アウレオルス「廓然。何故我が素性を知るのかは知らないが、邪魔をするというのであれば容赦はしない」

ステイル「二人共下がってくれないか。此処は本来、僕の戦場だ。…『我が名が最強である理由をここに証明する(Fortis931)』!」

言うなり、ステイルが前へ出る。
数箇所へルーンを貼り付け、詠唱を短略的に済ませて現界したのは、『魔女狩りの王』。
教皇級の威力を持つ、炎の巨人。
対して、アウレオルスは臆するでもなく一言だけ言った。

アウレオルス「『消えよ』」

途端、あれだけ燃え盛っていた、そして半永久的に継続するはずの『魔女狩りの王』が、消失する。
だが、そこで止まるステイルではない。
インデックスという一人の少女を守る為なら、彼は何だってする。
炎剣を振りかざし、アウレオルスに届く直前。
錬金術師は治療か何かに使うと思われる鍼を自らの首筋に軽く刺し、言った。

アウレオルス「『弾けよ』」

無表情で、どこまでも冷淡に。
上条が庇うまでもなく、ステイルの体は命じられた通り、内側から『弾け』た。
血液と臓物のシャワーが一帯に降り注ぐ中、顔色一つ変えず、青年はフィアンマと上条を見た。
治療する余地も無い、ぐちゃぐちゃの死体。

上条「ッ……」

明確な『死』に、上条の喉が干上がる。
喉元まで上がった胃液を無理矢理に飲み込む。
フィアンマは少しだけ泣きそうになり、視線を逸らした。

アウレオルス「快然、何故邪魔をする」

面倒そうな声だった。何かに焦っているかのような声でもあった。
彼もまたフィアンマと上条を魔術師と判断した訳ではないらしく、帰る猶予を与えてくれているようだ。

フィアンマ「邪魔も何も、お前はそもそも何をしようとしている」

アウレオルス「憤然、貴様には関係の無いことだ」

上条「人を殺してまで、そんな最低なことをしてまで、やりたい事って、何だよ」

上条の言葉に、青年は少しだけ黙った。
インデックスの愛らしい笑顔や、人に傷ついて欲しくないと願う姿を思い浮かべ、言葉を返す。

アウレオルス「………>>208


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