過去ログ - フィアンマ「あ、あん、安価で世界を」上条「あんかけが何だって?」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2012/12/02(日) 19:33:35.65 ID:WZjoke8R0
《
>>260
様 風斬ちゃんは犠牲になったのだ…
>>261
様 敢えて名乗らなかったようです》
フィアンマ「…当麻と同じだよ、俺様の右手も」
何かあるのか、という問いかけに、フィアンマはそう返した。
落ち込んでいるというよりも、どこか寂しげな様相で。
上条「…俺と同じって、『幻想殺し』?」
フィアンマ「正確には違うが、似たようなものかな」
人を不幸にする右手。
人を救う、右手。
相反しているように見える二つの要素を兼ね備えた特殊な右手。
上条とは正反対に絶対の幸運を確約された特別な右手。
フィアンマ「…人の幸せを願えば願う程、どこかの誰かを不幸にする。救う為の力で、それでも俺様には暴力という手段しか無い」
上条「……、」
フィアンマ「…一緒にしてはいけない、な。…当麻の右手よりも、悪いんだろう。使い方が悪いのだから、俺様が悪いんだ。俺様が馬鹿で弱くなければ、こんな風に思わなかったかもしれない」
フィアンマの言っていることは、上条にはよくわからなかった。
それでも、彼女が自分と似たような壁に突き当たっていることは、わかる。
そうでなければむしろ、あの日自分へ話したあの言葉が響く訳もないのだが。
右手を見下ろし、フィアンマは自嘲気味な笑みを浮かべる。
フィアンマ「何かを救おうとすれば、何かを喪うことになる。誰かの幸せを願う程、誰かを不幸にする。それでも、俺様は願わずにはいられない。世界中の人々が幸せで、平和で、心地良い世界に生きることを」
上条「…別に、それは悪いことじゃねえだろ」
言って、上条は手を伸ばす。
そして、彼女の右手を、自分の右手で握った。
上条「誰だって、幸せになりたいし、普通は誰かに幸せになって欲しいと思うよ。それを口に出すかどうかは別として。…勿論、裏目に出ることだってある。俺たちみたいに変な右手なんて持ってない普通の人だって、誰かを助けようとして誰かを傷つけたり、不幸にするんだろ。それでもやめようと思えないのは、やっぱり誰かに幸せになって欲しいっていう優しい思いの方が、誰かを見捨てようとする冷たい思いより強いからだ」
言いながら、何と綺麗事を並べ立てるのだろうと上条は思う。
けれど、彼はもう彼女の前でだけは、自分を自嘲しない。
『偽善使い』だとしても、彼女の思いを支えてあげたかった。
上条「たとえ自分の思いで誰かを傷つける結果になったとしても、今度はその傷つけた人を助ければいい。救おうと頑張ればいい。…違うのか?」
フィアンマ「……」
わからない。
そう五文字をぽつりと呟いて、やっぱり彼女は寂しそうに笑った。
どれだけの言葉を並べて話し合っても、分かり合えないと。
彼我の"本当の勇気の差"を、わかっていたからかもしれない。
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