過去ログ - フィアンマ「あ、あん、安価で世界を」上条「あんかけが何だって?」
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[saga]
2012/12/04(火) 21:52:27.09 ID:tFlpCJ0R0
上条「…今はわからないけど、俺は今できる事を、今自分が正しいと思う事をする」
それが、『偽善使い』と自嘲した、自分という存在だと、上条は自分自身で思う。
誰かの幸せを願えば願う程、どこかの誰かを不幸にする、と彼女は言った。
きっと、彼女は自分が間違った道をどこまでも、いつまでも進むとわかっている。
だって、彼女は一度だって、『世界を救いたい』などと言わなかった。
救わなくてはならないから、自分以外には出来ないから、やらなければならない。
いつだってそんなスタンスで、寂しそうに、自分の幸福を犠牲にして、他人を犠牲にして。
いつもそうやって生きてきたのだろう。そして、歪みゆく彼女を誰も止めなかった。
周囲を傷つけながら救いたいと願い。
上条の幸せを祈りながら上条を不幸にして。
大切に思う人間を滅茶苦茶にして、いつかの採算で合わせようとする。
『…全部、やり直したい…当麻と出会うずっと前から、やりなおしたい……』
確かに、彼女は狂っているかもしれない。
救いようが無い位、第三者から見れば頭がおかしいかもしれない。
自分の過去の意思一つ、もはや自力では捻じ曲げられない彼女を憐れむ人は、誰も居ないのかもしれない。
けれど。
彼女を狂わせたのは、優しくしなかったのは、愛さなかったのは、この世界の方ではないだろうか。
自分達の不幸を上条一人に負わせ、罵り、石を投げ、包丁を突きつけた、こんな冷たい世界なのではないだろうか。
上条当麻は聖人ではない。聖者ではない。どんな罪人にも事情があって、だから許せとは思わない。
でも、彼女がおかしくなったのは彼女のせいとは思わない。
彼女を愛したかつての家族が"善意"で託した『預言』が、彼女の意思を侵した。
彼女を推薦したかつての権力者が"善意"で託した『未来』は、『預言』によって穢された。
止めて欲しいと叫んだ彼女を止めなかった自分にだって、もしかすると責任がある。
オフィーリアはいつだって周囲の善意に振り回され、可哀想な人生を送ってきた。
上条「……会いに行くか。直接」
世界を憎みながら、それを憎悪と正しく認識した上で我慢している上条には、彼女の想いがわかる。
彼女は世界を憎んでいるが、それを憎悪ではなく、愛と認識してしまっている。
上条「もう、間に合わないかもしれないけど。でも、立ち向かわないと、いけないよな」
彼女を取り巻いてきた、暖かで悲惨な運命に。
『たすけて』と、その声を、自分は、聞いたのだから。
十月某日。
上条は何者に強制されることもなく、正規の手続きを終えた上で、イタリアへとやってきた。
今回は旅行ではない。やってきたのも、前回来た北イタリアではなく、南イタリアである。
上条「…で、バチカンって、どっちなんだ…?」
うう、と項垂れる上条。
不幸にも道に迷ったのだった。
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