過去ログ - フィアンマ「あ、あん、安価で世界を」上条「あんかけが何だって?」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2012/12/05(水) 21:04:53.20 ID:SolegE/q0
上条「いいよ、オフィーリア」
許可を出され、フィアンマは嬉しそうに表情を輝かせる。
一度許可を得て勇気が出たのか、似たような問いかけを重ねた。
フィアンマ「…触ってもいいか」
上条「いいよ」
フィアンマ「…抱きしめてもいいか?」
上条「いいって」
何だって当たり前のことを質問するのだろうかと首を傾げ。
上条は、彼女の発言を不意に思い出した。
『……俺様の本当の名前は。…役職でも、…偽名でも無い名前は、…オフィーリアと、言うんだ。…もう、こんな風に抱きしめたりしない。こんな風に、触ったりしない、……当麻って、呼ばない。フェリーチェ=ミカエリスは、死んだものと思ってくれていい。……だから、……一度だけ、………一度だけで、いいから。……、…オフィーリアって、…呼んでくれ』
上条(ああ、なるほど)
精神汚染が減っても、彼女の本質は生真面目なそれらしい。
自分で言ったことなど勝手に撤回すればいいのに、わざわざ許可を求めたりして。
そうやって生きてきたのだろうから、仕方のないことではあるが。
うろうろと彼女は痛々しい手と細い指をあてもなく彷徨わせ。
やがて上条の左手に触れると、そっと握った。
傷に障るのか少々痛そうな顔をしているが、離すつもりはないらしい。
フィアンマ「…やり直しても、……いい?」
上条「ちょっとずつな。…小萌先生は、お前が学校に戻ってくるの楽しみにしてたぞ」
フィアンマ「……」
だから、一緒に帰ろう。
オフィーリア
そう笑いかける少年に、悲劇のヒロインは、一度だけ、頷いた。
―――第一部、完。
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