過去ログ - フィアンマ「あ、あん、安価で世界を」上条「あんかけが何だって?」
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456: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2012/12/05(水) 21:04:53.20 ID:SolegE/q0

上条「いいよ、オフィーリア」

許可を出され、フィアンマは嬉しそうに表情を輝かせる。
一度許可を得て勇気が出たのか、似たような問いかけを重ねた。

フィアンマ「…触ってもいいか」

上条「いいよ」

フィアンマ「…抱きしめてもいいか?」

上条「いいって」

何だって当たり前のことを質問するのだろうかと首を傾げ。
上条は、彼女の発言を不意に思い出した。

『……俺様の本当の名前は。…役職でも、…偽名でも無い名前は、…オフィーリアと、言うんだ。…もう、こんな風に抱きしめたりしない。こんな風に、触ったりしない、……当麻って、呼ばない。フェリーチェ=ミカエリスは、死んだものと思ってくれていい。……だから、……一度だけ、………一度だけで、いいから。……、…オフィーリアって、…呼んでくれ』

上条(ああ、なるほど)

精神汚染が減っても、彼女の本質は生真面目なそれらしい。
自分で言ったことなど勝手に撤回すればいいのに、わざわざ許可を求めたりして。
そうやって生きてきたのだろうから、仕方のないことではあるが。

うろうろと彼女は痛々しい手と細い指をあてもなく彷徨わせ。
やがて上条の左手に触れると、そっと握った。
傷に障るのか少々痛そうな顔をしているが、離すつもりはないらしい。

フィアンマ「…やり直しても、……いい?」

上条「ちょっとずつな。…小萌先生は、お前が学校に戻ってくるの楽しみにしてたぞ」

フィアンマ「……」

だから、一緒に帰ろう。
            オフィーリア 
そう笑いかける少年に、悲劇のヒロインは、一度だけ、頷いた。















―――第一部、完。



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