過去ログ - フィアンマ「あ、あん、安価で世界を」上条「あんかけが何だって?」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2012/12/08(土) 21:00:11.91 ID:P3zBxbiH0
麦野「して……ない…」
確かに、目の前の相手は自分の癇に障ることを言ったかもしれない。
でも、それ以降、一度だって攻撃をしてきた訳じゃない。最後に一度だけ、効果的な反撃を行っただけ。
自分の、完全に殺すつもりだった攻撃を防ぎ、しかし、どうやってこの自分を傷つけずに事を運ぼうかと考えていた気がする。
殺そうとしたのに、傷つけようとしたのに、どうしてそんな相手に、こうして好意を振りまけるのか。
頭がおかしい、の一言では片付けられなかった。どうしてかはわからない。
麦野「何で…」
どうして、こんな事が出来るのか。
超能力者を倒せる程の強大な力を持ちながら、コイツには何故隣に人が居るのか。
彼我の違いに、もはや怒りすら湧いてこなかった。ただ、ただ、涙が溢れていく。
フィアンマ「…何で、と言われてもな。別に、本当に殺された訳でもあるまいし、入院させられた訳でもない。お前を恨み、怖がり、敵意を向ける必要など無いだろう?」
これが、彼女に『天罰術式』が効かない理由。
悪意の捉え方が滅茶苦茶にねじ曲がっていて、無償の愛に満ち溢れているが故に、天罰すら効かない。
麦野沈利の攻撃を何なく受け止め、倒す為だけに傷つけないよう力を振るい、好意で接する。
その辺の宗教家だって、笑顔で出来るかどうかといえば、不明なことだった。
フィアンマ「怪我をしていないのであれば良かった。していた場合は、手当をしなければ膿むからな」
上条「膿むと痛いよな」
フィアンマ「当麻はこの前絞ったばかりだったか」
上条「思い出させないでください…!」
親しげな会話。かりそめの、上辺のそれとも思えない。
『原子崩し』を一撃で倒す強大な力を持っていて、傍に人も居る。
ある意味で、麦野沈利の理想形だった。
怒らず、揺るがず、守り、心配し、微笑む。
どれだけ傷つけられても、相手を思いやることが出来る。
無償で。何の見返りもなく。デメリットを抱えてでも。
自分には絶対に出来ない、と麦野沈利は思った。
例え格下からだって、攻撃を受ければ殺してやりたいと、思うから。
麦野「…洗面台、借りるわよ」
フィアンマ「そこを進んで右だ」
化粧を直すべくそう言うと、麦野は立ち上がって洗面所へ移動した。
鏡に映ったぐちゃぐちゃの顔に笑って、顔を洗い、丁寧にメイクし直していく。
もしかしたらこれは自分の勘違いで、奴等は何か悪意を帯びた会話をしているんじゃないか。
そんな考えがふと頭を過り、耳を澄ませる。
フィアンマ『鮭弁当は冷蔵庫に入れたのか』
上条『腐っちゃうからな。鮭とばとかはいいのかな、って思ったけど、とりあえず入れといた。常温保存だった気がしないでもないけど』
まったくもって、不穏な雰囲気は無かった。単語も、無かった。
自分の居る場所とは程遠い、幸せそうな空間。
麦野はメイクを終えて戻り、とりあえず、パスタを全て平らげた。
見やった先、オフィーリアはのんびりと長閑な笑みを浮かべている。
フィアンマ「皿はそのまま放置で良い。どの道、後で洗う」
麦野「…
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