過去ログ - フィアンマ「あ、あん、安価で世界を」上条「あんかけが何だって?」
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796: ◆2/3UkhVg4u1D[saga !蒼_res]
2012/12/10(月) 20:27:27.82 ID:i27RtlB30

最初こそ、少年は戸惑った。
少年が親しんでいたのは、学園都市でない『科学』だった。
だから、急に見えない誰かが話しかけてくるなどと、他者に訴えることは出来なかった。
だって、そんなことをすれば心配されて、精神病院へぶち込まれてしまうに決まっている。
少年はしばらく黙って過ごした。すると、神浄は彼に沢山の幸福を与え始めた。

頭脳明晰、恐ろしい程の豪運、異性に好かれる雰囲気、望む全て。

年頃の少年なら、すぐにでも欲しいと願うものを授けた。
刀夜は不思議そうに、どうしてこんなことをするのかと問いかけた。
ただの暇潰しだ、と神浄は答えた。ただ、それだけだった。


少年はやがて大人になった。
愛する女性を得て、生きていた。
神浄から授けられた知識は魔術の『原典』に近いそれであり。
尚且つ、純度の高い『原典』のようなものを学んだ刀夜は、魔神にすら手が届く程の優秀な魔術師になっていた。
だが、刀夜は今しばらく、平凡な人生を望んだ。
そして、それと同時に、神浄へ多大なる感謝をしていた。
神浄は、人々が結集するところを見てみたい、と言った。
どんな戦乱にも負けない程の、強い、人の絆を見てみたいと言った。
そして、最初に設定しておいた筈の属性がおかしくなっているから、直してくれとも。
勿論、神浄の意思で直す事は容易だったのだろう。容易過ぎて、敢えてやらなかった。
刀夜は、流石にそんなことをするのは恐ろしいと言って、断った。
神浄はただ、つまらなそうに笑い声を漏らしていた。



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