過去ログ - フィアンマ「あ、あん、安価で世界を」上条「あんかけが何だって?」
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[saga]
2012/12/10(月) 23:06:00.94 ID:jg9r7z+20
大気中の水分を取り込んで氷にしているのかもしれない。
魔術の可能性を思い浮かべた上条は右手を伸ばし、ぺたりと壁に触る。
氷の壁はひんやりとしていて冷たく、『幻想殺し』が効いた様子は一切無い。
一度切り取られたから力が無くなったのかと思うも、そうそう簡単に無くなるものならそもそも苦労しない。
上条「…っていうことは、魔術じゃ無い…?」
異能の力ならば壊れる筈。
つまり、これはいたって普通の、自然的な物理現象。
しかし、『ベツレヘムの星』にこんな場所を創るスペースがあるだろうか。
もしかすると、魔術で作られた何かに囲われた場所を、更に物理的な氷で埋めているのか。
まるで冷凍庫だ、と思いながら、上条は真っ白な息を吐き出す。
身震いする程の寒さだが、歩けなくなる事は無い。
オフィーリアは、歩いていた。
氷の壁に触れる。冷たいだけ。
どこまでも硬質で、破る事は出来ない。
フィアンマ「…は」
吐きだした息は真っ白だった。
差し詰め、『永久凍土』という物語上作られた牢獄を如何にして現実化するか、と考えた場所なのだろう。
となれば、一定の場所へ一定の打撃を与えれば壊れてくれる筈だ。
その外は物理的なそれではなく、魔術的な囲い。そこまで追い込めば、どうにかなる。
フィアンマ「……」
無言のままに、測量を開始する。
身体を使っての測量は久しかった。
正確性を得られない為、普通は器具などを用いる。
フィアンマ「…当麻」
心細い思いで、彼の名前を呟いた。
返事は無い。
フィアンマ「………おじい様」
地道な作業をしながら、打撃を与えるべき場所を計算する。
脳内の知識と照らし合わせ、余計な情報については考えない。
『預言』は珍しく、何も告げてはくれない。助けてはくれない。
正真正銘、彼女一人の力でどうにかしなくてはならない。
かつての家族に、上条に、預言に、頼ってきた彼女には、自らの意思というものがあまり無い。
流されるまま生きてきた。能動的に動いた事など、ほとんど無かったと思う。
フィアンマ「……、…俺様は、…」
どうしたいんだろう。
印を付けた場所を、右手に現出させた黄金の小刀で地道に掘っていく。
誰にも、何にも助けてもらえないのは、苦しい。
それでも、これがまともに生きることか、と彼女は思う。
フィアンマ「…普通だと、言ってくれた。…こんな、…こんな人間でも」
普通の女の子だと、上条は笑ってくれた。
これ以上、この状況で泣いて助けを求めるつもりは無い。
自分の道は、自分で切り開く。
そんな彼女の背後に、誰かが現れた。
オフィーリアは小刀を握ったまま、のろのろと後ろを振り向く。
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