過去ログ - 王「勇者よ安価で魔王を倒すのじゃ」
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/11/23(金) 14:43:19.53 ID:SRREYj1DO
王「勇者よ、魔王を倒すのじゃ」

そこは、荘厳な宮殿の一角。所謂『謁見の間』と呼ばれる壮麗な場所だった。

勇者(?)「えっと……誰か人違いしてませんか?」

と素っ頓狂に返すのは如何にも一般人といった風貌の中肉中背の青年。
特徴がないのが特徴としかいいようのない普通の人間だった。

王「まあ驚くのも無理は無い。こちらの調べでもお主はごく一般の家庭に生まれた
パン屋の次男という事らしいからな。」

勇者(?)「だ、だったら…」

王「まあまあ、そう事を急くな。お主は『勇者の証』に認められたのじゃ。お主も
見たであろう?あれがお主の前にあった時の輝きを」

それはつい数時間前の出来事。確かにこの青年の前でその不思議な紋様は輝いていた。

勇者(?)「はあ……」

王「歴代の勇者たちは全てあの証によって選ばれておる。そこに出自や家柄など関係は無い」

勇者(?)(そんなものなのか…)

王「そこでじゃ、勇者に選ばれたお主に魔王討伐を命ずる。よいな?」

勇者(?)(命令か。となると拒否しても無駄なんだろうな)

事の重大さはともかく、一介のパン屋の見習いが拒否しても処刑されておしまいだろう。

そう感じた一般市民の男はこの災難に腹を括るしかなく、勇者として旅立つ事になるのだった。

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