過去ログ - P「出来損ないのプロデューサー」
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21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage]
2012/12/01(土) 13:24:03.24 ID:bjUe8zdH0
二人で辺りを見回してみる。夜の公園には誰もいない。
結構な距離を走ったのか、互いに呼吸が荒い。
彼が彼女の手を離す。
彼女の顔が寂しそうなものに変わるが、彼はそれを無視してまっすぐ自販機へと向かっていく。
彼女もその後を黙ってついていく。
投入口に硬貨をいれて飲み物を買う彼と、後ろで待つ彼女。
無言の時間がずっと続く。

「あの、プロ」

彼に声をかけようとすると、目の前にペットボトルのお茶を差し出された。
彼の方を見てみると、自販機にもたれて空いた手に持った缶コーヒーを口につけている。
とりあえず飲め、そういうことなのだろう。
彼からの無言のメッセージを受け取った彼女はペットボトルを受け取ると彼にならい、キャップをあけてお茶を飲む。
温かくて、少し苦味のある味が口に広がる。

「まったく、トップじゃないにしたってもうかなりのメジャーアイドルなんですから」

独り愚痴るように言葉を漏らす彼。
にもかかわらず、敬語をつかっているのは彼女に向かって話しているからだ。

「気をつけないとダメですよ」
「はい……すみません、プロデューサーさん」

彼女に対する注意と優しさが混ざり合った言葉に彼女、三浦あずさは申し訳なさそうに頭を下げた。



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