72: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2012/11/29(木) 11:02:16.48 ID:LnDVmjR4o
「おお、森を出たか。ワシはここで大丈夫じゃ、ありがとう」
そう言いながら真におぶさっていたおばあさんは降り町のある方向とは逆を向いた。
「え? でも町はあっちですよ?」
73: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2012/11/29(木) 11:06:46.22 ID:LnDVmjR4o
「ならいいけど、おばあさん、良かったらこのホイッスルを使って?
結構遠くまで響くものだから、魔物に襲われたらこれを吹いて?」
そんなもの持ってたのね。というかいつの間に? 元々持っていたもの?
74: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2012/11/29(木) 11:13:13.70 ID:LnDVmjR4o
「じゃああなたの分はこれから2分の1にするわよ?」
「それは僕が死んじゃいそうになったらどうするつもりなんだよ!」
「千早って……そんなケチだったっけ?」
75: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2012/11/29(木) 11:17:49.72 ID:LnDVmjR4o
「おやおや〜。森から出てきたお客さんかな!?」
大きな荷物の上からひょっこり顔を出したのは小さな女の子だった。
向かって左側にちょこんと小さく髪を結んでいた。
76: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2012/11/29(木) 11:21:50.80 ID:LnDVmjR4o
「んっふっふ〜。じゃあ回復薬がいるんじゃない?」
ぴょんっと荷物の上から私達の前に降りてくる。
くねくねしながら上目遣いをし
77: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2012/11/29(木) 11:29:12.90 ID:LnDVmjR4o
ゴソゴソもぞもぞと、大量に積まれた荷物の山の中に潜り込んでいった。
頭から潜り込んでいったために短いスカートからパンツが丸見えだった。
そして、ぽんっと、頭、と胴体だけを荷物の中からひょっこり出して
78: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2012/11/29(木) 11:53:34.30 ID:LnDVmjR4o
「そうだね、えっと、僕今いくら持ってたっけ……」
「新しい、防具が欲しいんだけど……」
ゴソゴソと腰に装備してあるポーチを漁る真。
79: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2012/11/29(木) 14:32:57.31 ID:K9kPglqQo
「森に落としてきたんじゃ……」
「いや、だって森にいた時は普通に道具はあったし使ったよ?」
「きっと口を閉め忘れて落としたのよ」
80: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2012/11/29(木) 14:37:16.19 ID:K9kPglqQo
「おっしゃー! んじゃ次の街まで安全航路をとって出発だよゴーレムちん!」
ゴーレムと、えいえいおー! をしてから荷物を山のように詰んだ貨車はゆっくりと動き出し行ってしまった。
せっかくの安い買い物のチャンスの前にがっくりと項垂れる真。
81: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2012/11/29(木) 14:39:07.49 ID:K9kPglqQo
「だ、だけど……そんなの……わかんないよ。あのおばあさんは確かに
おばあさんだし、すごく良い人だったじゃないか……」
「そういう人に限って、っていうのはよくある話じゃない」
82: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2012/11/29(木) 14:50:46.20 ID:K9kPglqQo
――――森、出口。
「ほう……あの、青い子の方が鋭いようだねぇ……」
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