962: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/21(木) 18:08:08.72 ID:hWToRdhWo
如月千早へ。
あなたを勝手ながら病院へ運ばせてもらったわ。
それから彼女、天海春香のことだけど、遺体が奪われてしまった。
963: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/21(木) 18:08:35.41 ID:hWToRdhWo
あなたが元気よく生きて逃がすことがあの人の最期の使命だったはず。
それが最後の最後に願ったものだと私は思う。
964: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/21(木) 18:09:06.12 ID:hWToRdhWo
その貴音を探すために一年後、城で王国内の全国規模で勇者を募集しているわ。
今は始まってしまった戦争に手一杯で、そこまでできない。
だけど、この一年の間、あなたがどれだけ成長するか、私は楽しみにしているわ。
965: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/21(木) 18:09:38.06 ID:hWToRdhWo
だけど、それでも、この理不尽な結果に抗いたいのであれば、
城へ来て、試験をパスして、まずはそれから考えなさい。
そして思い出しなさい。
966: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/21(木) 18:10:42.12 ID:hWToRdhWo
私は手紙をこれでもかというくらいに破り捨てた。
細かく細かく刻んでいた所で風が吹いてそれらは全て飛ばされていった。
967: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/21(木) 18:11:09.69 ID:hWToRdhWo
「いいじゃない……。受けて立つわ……」
私はそれから荷物を預けているという所へ行き、剣と荷物とその他もろもろを受け取った。
968: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/21(木) 18:11:45.58 ID:hWToRdhWo
自分の剣を一つ。
少し低予算になるのかもしれないけれど。
969: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/21(木) 18:12:16.63 ID:hWToRdhWo
銀行から預かっていた剣を抜く。古い剣の方を。
剣で鞘に傷をつける、というか掘っていく。
ガリガリ削って掘っていく。
970: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/21(木) 18:13:25.51 ID:hWToRdhWo
何分間そこに立ったままいたのだろう。
色んな思い出を思い出していた。
こんなことして決別をしたつもりになっているのかもしれない。
971: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/21(木) 18:14:10.89 ID:hWToRdhWo
失った春香はもう元には戻らないけれど、
まだ可能性が1%でもあるならば、
私はいなくなったもう一人の如月を探し出す。
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