36: ◆1XmsYbpRzk[saga]
2012/12/16(日) 22:27:27.69 ID:ugYQlzwp0
凛「な、何言ってるのよ!? あとひと押しじゃない!」
新城「相手は歴戦の勇士だぞ? 一太刀浴びせられただけでも十分だ。僕は死にたくない」
凛「さっきは嬉々として突撃してたわよね!?」
新城「可能性は害悪だと言ったはずだ。僕は確実に一撃を加えると判断できたからこそ危険を冒した。しかし今は、『倒せるかもしれない』というあやふやな判断しかできない」
新城「戦争はそういうものではない。確実性の上に成り立つ。それでも、予測不可能なことが起きてしまう。ならば僕は、せめて確実な方を取ろうと思うのだが」
凛「ぐっ……」
戦争のプロである新城の言葉は、それを全く知らない凛に反論できる余地すらない。
いや、現実にはその考え方は間違っているのかもしれない。だが、だからといって経験則を蔑ろにできるほど、凛は勇者ではなかった。
新城「さぁ乗れ、凛。奴の息がもどる前に」
ランサー「待ちやがれ!!」
凛「!!」
いまだ腰を落としたまま、ランサーは猛獣のような瞳をギラつかせて叫ぶ。
それを見て新城は、自分の判断が間違っていなかったことを確信した。仮にあのまま戦闘を続行していたら、あの男の逆襲に遭っていただろう。
ランサー「貴様、ライダーか。英霊の面汚しめ」
新城「なんと言われようと、僕は構わない」
ランサー「なぜ、この機に攻撃してこない? 勇猛は欠片もないのか!」
新城「僕は弱い。これは分かりきっていることだ。勇猛が白痴と変わらないのならば、僕は遠慮する。勝手に戦い死んでくれたまえ、英雄」
ランサー「最後まで卑しい男よ! ふん、次にあった時はその心臓、もらいうける!!」
そう言い残し、ランサーはそのまま風のように消え去った。恐ろしいほどの瞬足である。
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