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27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/17(月) 09:20:52.23 ID:XQ8eni4DO
〜 翌日 〜

アルラ「今日から農林政策担当官になりましたアルラウネで〜すっ!」

村人1「あ……は、はい!」
村人2「えらく元気のいいお嬢さんだ……」

アルラ「これからビシバシと開墾していくからよろしく!」

村人たち「はい! よろしくお願いします!」

 朝早く、木箱の上でアルラウネが声を張り上げると、召集をかけられて広場に集った村人たちも少し戸惑いながらであるが、つられて声を大きく返事をした。
 ああ見えてアルラウネはなかなかに求心力がある。
 呑気で裏表の無い性格は自然と他者の頑なな心を解きほぐしてくれるものなのだ。
 ぶっちゃけ脳天気と言ってしまえばそれまでだが、ともかくファーストコンタクトは順調。
 少女は一歩引いた広場の隅でアルラウネの様子を見ながら、それとわからぬ安堵のため息をついた。

執事「やはり、アルラウネ一人では不安ですか?」

 だが、長年連れ添ってきた執事はそれを目ざとく察して隣から声をかけて来てくれる。
 少女は執事の顔を振り仰ぐと、横に首を振って執事の言をはっきりと否定した。

少女「……不安は無くもない。でも……」

執事「でも?」

少女「……アルラウネなら、きっと大丈夫」

 少女は確固たる自信を持った声音で執事に言うと、再び視線を広場の中央にいるアルラウネへと注ぎ始める。
 すると、少女の思いが通じたかどうかはさておき、村人の反応が中々によろしいものへと変じつつあった。

村人1「見た目はのんびりとしたお嬢さんだが……」

村人2「いや、あの大魔法使いである領主様の弟子なんだ! きっと凄い方に決まっている!」

村人3「そ、そうだな! 暗黒の魔王を滅した伝説の魔法使い様一行の一人だ! 凄いパワーを秘めているに違いない!」

少女「………………」

 良いニュアンスの方向に進みつつあるようだが、なんだか話がおかしくなってきた気がする。
 そういえばと少女が思い返して見れば、村人たちの村を半壊させた魔王ビームの説明をまったくしていない。
 どうやら話の端々をかい摘んで見るに、村人たちは少女たちを高位の魔法使い一行だと勝手に判断しているらしかった。


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