過去ログ - 勇者「魔王の後継者？」 -SS速報VIP

過去ログ - 勇者「魔王の後継者？」

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775:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/04/30(火) 17:48:53.87 ID:5mjgCY6C0
俺は十数年以上前、この町のある家系に生まれた。代々勇者を輩出してきた家系であり、強い魔翌力を受け継ぐ家系だ

そうだ狐面、お前が見た奴は多分俺の先祖だよ。多分勇者としての力がなかった時代のな

俺はこの町が大飢饉に陥っていたときこの家に生まれた。…歴代で一番強い魔翌力を持ってな

そして生まれた日は悪魔の年悪魔の月悪魔の日…それにありえないほど強大な魔翌力だ。誰も彼もが俺を悪魔の子だ鬼の子だと騒ぎ立てたよ…

クズの両親はこの町から逃げ出した。俺を置いて

それからは予想がつくか？忌み子として悪魔の子として恨まれ、憎まれ、毎日殴られ、蹴られ、今でも頭の中をグルグル回っているよ

忌み子、悪魔の子、鬼の子、飢饉も俺のせい、病気になった、お前のせいだ。爺さんが死んだ。お前が生まれてから一週間後だ。

お前を許さない。[ﾋﾟｰｰｰ]、殺してやる。お前のせいだ

「許さない」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「お前のせいだ」　　　　　　　　　　　　　「まだ足りねえよ」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「お前えさえ生まれてこなければ」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「忌み子が」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「悪魔め…」　　　　　　　　　　　　　
　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「[ﾋﾟｰｰｰ]！[ﾋﾟｰｰｰ]!何度でも、何度でも!!!」

しかし、俺は死ななかった。強すぎる魔翌力が本能的に傷を癒すし、毎日誰かがギリギリ飢え死にしない程度の飯を持ってきやがったからだ

あいつらは、飢饉による不安とイラつきを俺に暴力を振るうことによって発散していたんだよ。だから俺に死んで欲しくはなかった

何度も餓死することを考えたよ。でもその度に覆面をした誰かによって無理やり食べさせられる

痛みと怨みつらみと屈辱とが募るだけの日々だった

…

十年の時が過ぎようとしている時だ。その時にはすでに罵倒を罵倒と感じることが出来なくなるほどに心が病み、痛みを痛みと感じることも出来なくなるほど世界から感覚と心を隔離しだしていた

そんな時だ。あの子が俺の目の前に現れたのは

綺麗な白銀の髪をした良く笑う女の子だったよ。…あの笑顔に何度も救われた

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