過去ログ - 美琴「……私、どうすれば……」上条「俺が守る」
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7: ◆kJm4mDjM06
2012/11/29(木) 22:25:38.80 ID:CKruBT1j0
二人とも布団に入ると、美琴は電気を消し、黒子には背中を向けて寝る態勢に入った。
それから何時間経ったのだろうか。二人は一言も話さず、ただただ目だけは開けていた。


美琴「……黒子、起きてる?」

ずっと沈黙だった美琴が話しかけた。
当然起きていた黒子は、背中を向けている美琴に返事をした。

黒子「はい……起きていますわ」

美琴「……ごめんね」

黒子「……なんで謝るんですの?」

美琴「私、もうあんたの憧れているレベル5の御坂美琴じゃなくなっちゃった。今は、ただの無能力者、レベル0」

黒子「……」


黒子は返事をせず、ただ聞いていた。


美琴「自分で言うのもなんだけど、あんたの憧れを私自身が壊しちゃった。……もう、これまでの様にお姉様なんて呼ばなくて良いのよ……」

黒子「……フフ」

美琴「なっ! なにがおかしいのよ!」


美琴がガバッと体を黒子の方へ向ける。
黒子の方を見ると、彼女は泣いていた。


黒子「フフ……グス。なんでわたくしがお姉様のことをお姉様以外で呼ばなくてはいけませんの?」

美琴「……」

黒子「お姉様が……グス、例え無能力者になろうとも……グス、黒子のお姉様はお姉様だけですわ」

美琴「……」

黒子「お姉様には……これまでたくさん助けて頂きました……グス、だから……今度はわたくしがお姉様を助けるんですの……」

美琴「……」

黒子「お姉様が危険な目にあったら……ヒッ、黒子が助けに参りますの……グス、それが、お姉様のパートナーとしての『露払い』ですわ……グス」

美琴「……黒子」

黒子「だから……ウグッ、だからお姉様……グス……そんなこと、そんなこと言わないでくださいまし……うううぐ、ヒグ、うっ」


言い終わると黒子は顔を涙でぐしゃぐしゃになりながら私に抱きついてきた。
その鳴き声は部屋の外まで聞こえているかはわからない。それくらい大きな声で泣いていた。だからちょっと、ちょっとだけ、私も泣いて良いかな? 今日くらい、良いよね?
……ありがとう、黒子……______。


二人は泣き疲れると、そのまま寝てしまった。
起きたとき二人とも目が腫れ上がっているもんだから大笑いした。
急いで寮を出る準備をして、門を出ると、黒子が先に待っていてくれた。


美琴「……行ってくるね」

黒子「行ってらっしゃいませ、お姉様」


風が冷たくなってきた。
そろそろ衣替えの季節かなと感じながら、美琴はこれからの生活に一歩踏み出す。


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