過去ログ - エルフ「……そ〜っ」 男「こらっ!」
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291:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/03(月) 17:13:09.51 ID:xKQv9y9m0
 男が一人先に進み、それに続くように騎士、訓練生の二人が続く。そこから騎士、訓練生が二手に別れ、男の左右にそれぞれ展開する。
 ジメジメとした空気が肌を撫でる。未だ姿を現さない相手に警戒しながら、四人は先へと進んでいく。
 森に存在する小動物の駆ける音を敵の足音と勘違いして緊張を高め、逆に自分たちが地面に落ちている小枝を踏み潰して相手に位置を悟られてないかと考える。

 模擬戦が開始して半刻ほど経った頃。騎士、訓練生達の前を先行する男が不意に立ち止まり、合図を送る。
以下略



292:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/03(月) 17:13:44.70 ID:xKQv9y9m0
男(それじゃ、行くよ。三……二……一……今だっ!)ダッ!

 男が合図を送ると同時に、騎士と男が敵の一人の元へと駆け出す。騎士は腰に付けられた模造剣を鞘から抜き放ち、男は指で魔法紋を描いていく。

敵「……! クソッ!」
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293:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/03(月) 17:14:11.91 ID:xKQv9y9m0
男「甘いっ!」

 描いていた魔法紋を模造剣が己の体に叩きつけられる直前に完成させる。すると、なぎ払われた剣と男との間に地面を突き上げて石柱が現れ、その剣先を防いだ。

敵「――ッ〜」ビリビリ
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294:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/03(月) 17:16:09.78 ID:xKQv9y9m0
騎士「くらいやがれ!」ザッ

 模造剣の腹を起き上がった相手の腕に叩きつける。魔法を使う男と違い、騎士や敵は軽装の鎧を身につけているとはいえ、叩きつけられた剣の衝撃は凄まじく、先ほどの男の攻撃とは比べ物にならないほどの鈍い音が辺に響く。

 骨が折れた……とまではいかないものの、衝撃によって飛ばされ、起き上がろうとした敵の腕は力なく垂れ下がっていた。
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295:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/03(月) 17:17:47.61 ID:xKQv9y9m0
男「よし、まずは一人……」

 男が敵を倒して一息ついた瞬間、背後から叫び声が上がった。

訓練生E・F「うわああああ〜」
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296:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/03(月) 17:18:44.10 ID:xKQv9y9m0
男(なるほど……。つまり最初からあの二人はこうするつもりだったんだね)

 おそらくは、ミーティングの前、それから後に彼らは訓練生C達と密会していたのだろう。そして、その時に模擬戦が開始したあとの予定をそれぞれで立てていたのだろう。
 どうしてこんなことをするかという理由を問われれば、男自身に原因があるのだろう。男がそれまでとってきた態度が、彼らに模擬戦での勝敗以上に重要な“男を潰す”という共通の目的を与えたのだ。

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297:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/03(月) 17:19:31.42 ID:xKQv9y9m0
予想以上に彼らの行動が癪に障ったのか、男は知らず、歯を食いしばり、怒りを顕にしていた。その表情は普段からは想像できないほど険しいものとなっていた。
 さすがに、騎士も今の状況に気づいたが、当事者である男と違い、彼はまだ冷静だった。そして、この状況に呆れていた。

騎士(くだらねえ……。なんだよ、これ。せっかくの模擬戦だってのに、男をリンチするためにみんな手を組んでんのか? これは俺たちが力をつけて人の役に立つための訓練だろうが。なのに、一人をいたぶるためにこんなことやるなんて、ぜってえおかしいだろ!)

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298:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/03(月) 17:20:47.67 ID:xKQv9y9m0
男「お前たちみたいな奴はな、死ぬほど吐き気がするんだよ!」ザッ

魔法紋を描きながら訓練生Cの元へと走り出す男。当然、他に敵がいることに気づいた様子はない。そんな、彼をみて訓練生Cは不敵な笑みを浮かべる。

騎士「……マズイっ! 男!」タッ!
以下略



299:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/03(月) 17:21:20.51 ID:xKQv9y9m0
だが、その先端が腹部に直撃する間際、駆け抜けてきた騎士が男を弾き飛ばし代わりにそれを受け止めた。

騎士「……ぐっ!?」ゴロゴロ

苦悶の表情と共に吹き飛ばされる騎士。それに男、訓練生C、敵Bのそれぞれが驚き一瞬動きを止める。
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300:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/03(月) 17:22:43.08 ID:xKQv9y9m0
騎士「……っぁ。けほっ、けほっ。なんでかって? そんなのな……お前たちのやり方が気に入らねえからだよ! 確かに、男は周りに対して壁作ってるし、気に入らないところもあるかもしれない」

訓練生C「そうだよ! 君だってよく分かっているじゃないか! そいつは一度痛い目を見ないと……」

騎士「だけどな! 少なくともこいつは一度だって訓練に手を抜いたりしていない。他の奴がこいつを気に入らなくて手を抜いたとしても、その分こいつは他のやつの分も頑張ってちゃんと成果を出しているんだよ!
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