過去ログ - エルフ「……そ〜っ」 男「こらっ!」
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585:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 17:35:37.44 ID:RLjbm7yt0
何人も、何人ものエルフを友の、家族の、大事だった人たちの仇だと憎み、その手で葬ってきた。戦場で己が生き残るため、皆の仇を討つために……。
だが、

男「でも、僕があの時選んだ道は結局……」

脳裏に思い浮かぶのは怯えた目でこちらを見つめる幼い容姿のエルフの兄妹。その瞳に映る己の姿は冷酷な顔をし、一切の容赦なくその命を奪おうとするものだった。
それを見た男は、かつて、まだ何も知らずに家族とともに穏やかに過ごしていたころの自分を思い出した。
ああ、あの時の自分もこんなように怯えていたんだったと。
それを悟った時、目の前のエルフの兄妹の命を奪う事ができなくなってしまった。結局、そのエルフたちを見逃して男はその場を後にしたのだった。

男(あの時、僕があのエルフの兄妹を殺してしまっていたら今こうして穏やかに暮らしている事はできなかっただろうな……)

おそらくは今もまだ戦いの日々に明け暮れ、身体に染み付いて離れない血の匂いを纏って生き続けていただろう。
過去を思い出し、暗くなりだした男の心とは対照的に空はどこまでも澄み渡り、明るい日射しが大地を照らしていた。



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