過去ログ - エルフ「……そ〜っ」 男「こらっ!」
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2012/12/05(水) 18:09:58.18 ID:RLjbm7yt0
覚悟を決めて目蓋を閉じようとした時、張り裂けるほどの声を上げて自分の名を呼ぶ妹の声が聞こえた。彼女の顔はやはり男と同じように涙に塗れ、くしゃくしゃに歪んでいた。
妹を心配させまいと、最後に残った力で必死に笑顔を作ろうとする。
男「だ、だいじょうぶ……にいちゃんは……だいじょうぶだから」
以下略
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2012/12/05(水) 18:10:28.87 ID:RLjbm7yt0
……
…
だが、いつまで経っても己に来るはずの痛みや死の感覚は訪れなかった。
以下略
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2012/12/05(水) 18:11:31.07 ID:RLjbm7yt0
理解できない。本来ならば生きているはずの妹が目の前で死んでいた。傷エルフが妹の前に立ち、喉を切り裂いていた。血が、血が、血がダラダラと、ドクドクと、溢れている。
笑う傷エルフ。倒れる妹。そして、男はその場に力なく崩れ落ちた。
傷エルフ「どうだ? 命よりも大事な者を奪われる苦しみは。これが、俺たちが味わってきた痛みや、苦しみだ」
以下略
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2012/12/05(水) 18:11:57.12 ID:RLjbm7yt0
ゆさゆさと妹の肩を揺らし、何度も声をかける男。だが、その言葉に妹が応えることはなかった。
男「だめ、だよ。こんなところで寝てたら怒られるよ。あんまり遅くまで外にいると家の中に入れてもらえないんだから」
既に燃え尽きている自宅を眺めながら男は呟く。だが、妹は応えない。
以下略
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2012/12/05(水) 18:12:35.69 ID:RLjbm7yt0
――施設――
虚ろな瞳で、表情の変わらない少年がいた。身寄りをなくし、行き場のない子供達の集まる施設。その施設で他の子供達がそれぞれ身体を動かして遊んでいる中、ただ一人少年だけが彼らの輪に混じることなく一人でいた。
その瞳に宿るのは己の大切の者達を奪っていった者へ対する憎悪。そして、果てしない喪失感。
彼の頭にあるのはただ、復讐のみ。
以下略
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2012/12/05(水) 18:14:09.66 ID:RLjbm7yt0
ひとまずこれで男の過去〜少年編〜は終わりになります。次で今あるストックは最後になります。
話としては途中で止まっていますが、その続きは今日の時間がある限りは書いていこうと思います。
男の過去〜喪失編〜です。よろしくお願いします。
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2012/12/05(水) 18:24:21.68 ID:RLjbm7yt0
全てを失ったあの日から一年が経った。復讐のため、男は何度も、何度も軍部の門を叩いた。だが、子供のすることをいちいち相手にするほど軍の人間も暇ではなく、いつも門前払いを受けて施設へと男は帰らされるのだった。
しかし、追い返されても毎日居座り続ける男に門番もとうとう観念したのか、男が門の前で何かする分には文句を言わなくなった。
門番「なあ、そろそろ帰る時間だぞ」
以下略
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2012/12/05(水) 18:24:58.00 ID:RLjbm7yt0
門番「それにな、軍に入ったとしても厳しい訓練があるし命を落とすなんてそれこそ一瞬なんだ。お前みたいな子供達を守るために、今俺たち軍部の人間は頑張っているんだからその行為を無駄にするような事をしないでもらえると嬉しいんだがな」
男「……のちなんて」
門番「ん?」
以下略
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2012/12/05(水) 18:25:26.46 ID:RLjbm7yt0
しばらくして、男に声をかけた兵士が交代の時間になり、他の兵士と入れ替わろうとしようとした時、軍部にある分隊が訪れた。
女隊長「みんな〜軍部に着いたよ!」
明るく、張りのある声を響かせるまだ若い女性。数名の集団からなる分隊の隊長と思われる彼女の言葉に続くように、兵士達が安堵の声を上げる。
以下略
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2012/12/05(水) 18:26:09.84 ID:RLjbm7yt0
男槌士「いいや、許さん。ワシはこやつの隊に就く条件に飯をたくさん食えることを保証するということで契約したのだ。他の者が飯を食えんくても、ワシだけは腹一杯になる権利がある」
女魔法士「男槌士さんは、意地汚いと思います……」
女剣士「そ〜そ〜。いざとなったら他の隊の飯奪ってくりゃいいんだって」
以下略
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2012/12/05(水) 18:26:44.27 ID:RLjbm7yt0
女隊長「大半はやっぱりご飯なのね。確かにお腹減ってるけど、もっと大事な事があるでしょ」
男剣士「例えば?」
女隊長「え〜……コホン。この度も我が隊は一人も死傷者を出すことなく任務を遂行する事ができました! みんな、お疲れ! よく生き残ってくれた! みんなと一緒にこれからもまた過ごせると思うと私は嬉しいよ。ついでにご飯も食べれて嬉しいよ!」
以下略
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