過去ログ - エルフ「……そ〜っ」 男「こらっ!」
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[saga]
2012/12/12(水) 01:51:57.23 ID:czMDyijN0
女上官「いいか、必ずやり遂げろ。この命令に失敗の二文字はない! 先に言っておくが、お前たちはこの戦いで真の意味で兵士に生まれ変わる。
エルフは殺せ。身体を焼かれ、四肢を弓矢で打ち抜かれたとしても持ち前の武器である歯を使ってでも奴らに傷をつけろ。
死んだ仲間には情を抱くな。それはもはやただの肉の塊だ。悲しみを抱くくらいならエルフの奴らを憎んで、一人でも多くあいつらの命を刈り取れ!
この程度で死ぬような奴はどこの戦場に行っても真っ先に死ぬ。そんな奴はこの北方地帯の部隊には必要ない。
いいか、生き残った奴が全てだ。無様でも、醜くても、意地汚く生き残れ!
死ねば全てが無意味となる。敗北者が何かを得ることはない。勝者こそが全てだ。勝利しなければこの戦争にはなんの意味もない。
さあ行け! 今すぐに戦場に躍り出ろ! そして己の価値をこの場に残った我々に示してこい!」
女上官のその言葉を聞くと同時に一同は村から交戦地帯に向かって駆け出した。そして、彼女の話を聞いていた男はこう思う。
男(女上官の言うことも一理ある。この初陣で死ぬようなら所詮その程度の力しかなかったってことじゃないか。それはつまり、自分を守る力すらついていなかったということになる。
死んだら、何もかもが無意味になる。あのエルフへの復讐も、また僕に出来た大切な友人を守ることもできない。
なら、僕はこの戦いを絶対に生き延びてみせる。そして、僕から全てを奪っていったエルフたちを一人でも多く殺してやる……)
己の内に湧き上がるドス黒い感情を肯定し、男は戦場に向かって駆けてゆく。視線の先ではいくつもの光が眩く輝き、耳をつんざく轟音を生み出している。
正式な軍の一員としての彼の戦いが、まさに今始まろうとしていた……。
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