過去ログ - エルフ「……そ〜っ」 男「こらっ!」
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829:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/15(土) 01:04:04.70 ID:hPuuzhub0
 流れるように動く指先。幾多の紋様が素早く描かれ、先ほど男に向かって炎球を放ったエルフたちに今度は男の元から土の塊が凄まじい勢いで飛び立った。
 そのうちのいくつかがエルフたちの身体を打ち抜く。肉をえぐられ、骨を砕かれ、その場に倒れこむエルフ。男はその隙に彼らに接近し、抜き放った短刀で彼らの首を切り裂き、死に至らしめる。
 男は切り裂いた際の感触で相手を殺害したことを確認し、次の標的めがけて彼走った。一歩でもその場に止まってしまっては彼が今殺したエルフのように自分がなってしまうのをわかっていたからだ。
 周りを見渡せば見知った者の姿は随分と減っていた。ほんの数時間前まで一人の脱落者も出さずにこの前線へと共に進んできた仲間たちは今ではその大半が無残な姿で地に伏し、交戦する兵士たちの足の踏み場となっていた。

男「畜生、畜生……。許さない、絶対に許すもんか! お前たちエルフがいるから僕たちはっ!」

 己のうちから無限に湧き出る怒りや憎悪を宙へと吐き出し、男は一人、また一人と敵を葬っていく。その数は既に二桁を超えていた。
 そんな彼の視界に見知った者の姿が移った。女騎士の姿だ。戦場に来るまでは一緒に移動していた彼女だったが、戦闘が始まりエルフの元へと突撃してすぐにはぐれたのだ。



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