過去ログ - エルフ「……そ〜っ」 男「こらっ!」
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830:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/15(土) 01:12:09.01 ID:hPuuzhub0
 だが、それも仕方のないことである。ほとんどの者にとっては初めての実戦。自分の身を守ることに精一杯になっているのが普通だ。男は過去に女隊長達と共に戦場にその身を置いていたからこそ他の兵士たちより落ち着けていたというだけのことである。
 そんな彼は今、エルフと交戦する女騎士に意識を向けていた。エルフ集団の懐に入り、次々と敵を切り伏せる彼女だったが、その意識が目の前にいるエルフたちに集中してしまっており、背後から彼女に向かって弓を引くエルフに気がついていない。このままでは確実にその身を弓矢に射抜かれる。
 それを理解すると同時に男は駆けた。同時に指先を動かし魔法を発動させるための紋様を書き連ねてゆく。
 放たれる弓矢。発動する魔法。風を切り裂き、女騎士目がけて放たれた弓矢は矢尻がまさに女騎士の身体に突き刺さろうとした瞬間、男が発動した風の魔法によって防がれた。
 ガンッ! と空気の塊に防がれ音を立てて上空へと弾かれる弓矢。そこでようやく女騎士も自分の身に迫っていた危険に気がついた。



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