過去ログ - エルフ「……そ〜っ」 男「こらっ!」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]
2012/12/19(水) 03:33:47.50 ID:rzqgzBqc0
それを見た瞬間、男の中に猛烈な庇護欲が湧き上がった。それは、かつて妹の面倒を自ら進んでみていた頃と同じような家族に対する情愛であった。
今まで長い間ずっと忘れられていたそれは、覚醒と共に溜まりに溜まっていた欲求を男の体の隅ずみまで満たした。もういないはずの妹と少女に姿を重ね、妹にできなかった全てを少女にはしてやりたいと思った。そう、男は目の前にいる少女の幸せを第一に考えたのだ。
そうして、男はゆっくりと少女に近づいた。だが、自分に近づいてくる存在に気がついた少女は遠く、明るい世界への羨望を即座に心の奥底へと隠すと再び敵意をより色濃くし、男をキッと睨みつけた。
だが、男はそれでもなお少女に向かって突き進んだ。かつて、自分に優しい言葉を投げかけてくれた全ての人を拒絶していた自分を救ってくれた女隊長と同じように。
男「大丈夫、大丈夫だから」
優しく言葉を投げかけながら、ついに少女の目の前に辿りつく男。逃げなかったところを見ると、まだ人を受け入れる余地はあるのかもしれない。そう思った男は少女の前にそっと手を差し伸べた。
だが、差し伸べられる救いの手を少女はすかさず払い除けた。拒絶されることはある程度予想していたのか、男は再び少女に手を伸ばす。
しかし、今度ははっきりとした形での拒絶をされた。少女は男の手に思いっきり噛み付き、物理的に敵意を表したのだ。
少女「ふぅぅっ……ぐうぅっ!」
まるで獣のようにギロリと男を睨みつける少女。肉が食いちぎられるほどの強さで歯は食い込んでいく。その痛みに男は一瞬顔をしかめたが、歯を食いしばり痛みに耐えた。そして、空いているもう片方の手を少女の背中に回し、その身体を抱きしめた。
男「大丈夫。怖くないよ……」
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