過去ログ - エルフ「……そ〜っ」 男「こらっ!」
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907:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/21(金) 00:25:38.67 ID:abYTtK5o0
少女「で、できた! できました!」

男「えっ?」

 意外な少女の言葉に男は一瞬放心する。見れば、少女の頭上には確かに炎球が出来上がっていた。……それも、四つも。
 その光景を見た男は思わず背筋がゾクリとするのを感じた。予想以上。いや、もはやそんなレベルではない。天才的な才能の片鱗をわずかながらでも感じさせた少女を目の前にし、興奮すると同時に恐怖した。

男「ちょ、ちょっと待って」

 そう言って男は新たなる紋様を描き出す。そして、少女は男のそれをじっと見ていた。

男「これは、これは作れる?」

 そう言って男が紋様を書き終えると今度は大気中に漂う水の塊とそれを凍結させた氷の刃ができた。
 一見すると先ほどと同じように紋様を書いていただけにも見えるが、こちらは違う。氷を作るにはそもそも水の魔法を生み出す法則を正しく理解し、なおかつそれを凝固させるための別の手順が必要になるのだ。
 初見でこの違いがわかるものはほとんどおらず、現に男もこれを同時に発動させるのには長い年月を必要とした。
 だからこそ、これはある意味で彼女の才能を確認するのにはふさわしい試験であった。基礎的な知識しか与えてない状態で彼女がこれを生み出せるようであるのならば、それは彼女の持つ才能が本物であるということだからだ。

少女「やってみます」

 そう言って、少女は男が行ったのと同じように紋様を書き連ねていく。淀むことなく流れゆく指先。それは光り輝く軌跡を宙に記し、やがて一つの芸術が完成した。



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