過去ログ - エルフ「……そ〜っ」 男「こらっ!」
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945:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/30(日) 02:30:03.93 ID:HFBgTy1I0
男「さて、それじゃあ行くよ女魔法使い」

 一瞬だけ女魔法使いを見て、男は魔法を描き出す。

女魔法使い「はい、先生!」

 そうして男は風の魔法紋を描き始める。そして、男の考えを理解し、その魔法に続くものを発動させるために女魔法使いは別の魔法紋を描き始めた。
 そんな彼らに魔法を発動させまいと向かってくるエルフのうち、数名が足を止め、弓矢を放った。

騎士「やらせるかよ!」

 だが、放たれた矢のうち男達に届きそうなものは騎士と女騎士の手によって切り落とされる。

女騎士「男、まだかかりそう?」

男「いや、もう終わった」

 そう言って男は魔法を発動させる。一つ、二つ、三つと彼の上空に次々と火の玉が現れる。百を越す火球が宙に浮かび、やがてそれらは結合しひとつの巨大な火球を生み出した。

男「言っとくが、これで打ち止めだ。確実に仕留めてくれよ」

騎士「ああ、任せろ」

 その言葉を聞いた男は強大な力の塊であるそれをエルフ隊長の方角に向かって投げつけた。

男「おおおおおおおおおおおおっ!」

 叫びとともに火球が放たれる。射線上いるエルフや木々、そして地面を焼き尽くしながらそれは進んでいく。
 そして、それに合わせるように女魔法使いが魔法を発動させる。

女魔法使い「はっ!」

 火球の通り道、そしてその先に立つエルフ隊長の周囲を地面から飛び出した土の壁が覆う。一切の逃げ場を失くし迫り来る火球をただ防ぐしかない相手。
 これで終わるとは男たちも思っていない。これだけの人数差、冷静な状況判断ができるものが対抗する魔法を発動すれば男の放った魔法も打ち消されるだろう。だが、彼の目的はそれではない。火の魔法はあくまでもおまけ。それで討ちとれるなら運がいいとくらいにしか考えていない。
 彼の目的は最初からエルフ隊長への障害物のない一本道を作ることにあった。

騎士「いくぞ、女騎士!」

女騎士「ええ」

 火球が焦がした道を騎士と女騎士が全力で駆け抜ける。そんな彼らより一足先に巨大火球がエルフ隊長の元に到着する。
 だが、当のエルフ隊長は己の身に危険が迫っているにもかかわらず慌てた様子を見せなかった。



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