6: ◆QkRJTXcpFI[sage saga]
2012/11/30(金) 11:59:43.55 ID:nlsr789Z0
半ば無意識のふらついた足取りでなんとか自宅に辿りついた少年は、
一も二もなく自室に入ってベットに倒れた。
いつしか眠りこけて、ぼんやりとした夢を見る。
夢の中には形容し難い美があった。
美しいという認識を強制されているだけで、
性別さえ特定し難いその姿を捉えることは結局叶わなかった。
「君には俺がこんな風に視えてィるのか。
人型ではあるようだけれど、てんで意味を成してなィな」
紛れもなくその声は"蜃気楼"だった。
美が化物だと知れた途端に少年は後退る。
「なに、怖がる必要はもうなィんだ。これからは運命共同体って奴だからな。
暫くは馴染むまでこの深ィ場所に居させてもらう。
馴染んでからが楽しィ楽しィ勉強の時間だ」
唐突に目覚めた少年の体からは、
先程まで溜まっていた毒が夢であったかのように消えていた。
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