過去ログ - ロロナ「深淵歩きのアルトリ……アル……アーくん!」 アルトリウス「」
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385: ◆rMzHEl9LA2[age saga]
2013/09/13(金) 01:52:45.42 ID:q+kBd9YS0



 冷たい床の感触にアストリッドが目を覚ます。
 ぽっかりと空いた真っ黒な穴。穴に蓋をするように塞ぐ透明な床。
 アストリッドはその透明な床の上に寝転がっていた。立ち上がり、周囲を見る。
 部屋の中央に透明の円形な床が、それを囲むように石の階段や石の床。
 そして、それらの周囲を石の壁が覆っている。

アストリッド(階段や壁の形状から、空間は円筒状、石造りの塔内部といったところか……)

 
「目が覚めましたか?」

 階段を降り、一人の女性が現れる。
 女性が近づいてきたことで、その姿が特徴的であることに気がついた。
 黒い布を巻きつけたような黒衣を身に纏い、黒い蝋のようなもので顔の上半分を潰している。
 手には長い灯火杖を持っており、素足で地面を探るように歩いてくる。
 アストリッドの前で立ち止まり言った。

「すみません、魂だけという形で迎えてしまい……人はここには入れませんので……」

 その言葉にアストリッドは自分の身体が青白い淡い光を放っていることに気がついた。
 自分の身体は無事なのだろうか。思考していると黒衣の女が言った。

「肉体は無事です……出る際に肉体へ戻れるよう、あなたの魂をご案内します」

アストリッド「……何処だ?」

 確認する為、黒衣の女にアストリッドが聞く。

「……あなたが探していた『最初の火の炉』と繋がる……ここはその間、楔の神殿です」

アストリッド「お前は――」

「――私は、名乗れる名前はありません。必要でしたら火防女、と…………来てください、ご案内します」

 黒衣の火防女が透明な床を灯火杖で叩く。
 透明な床が消え、アストリッドと黒衣の火防女が真っ黒い穴の中へと落下する。 
 長い間、真っ暗な闇を落ちていると、小さな光が見えてきた。
 光が大きくなるにつれて、落下速度がだんだんと遅くなる。
 地面がすぐ傍まで迫ったとき、アストリッドの身体がふわりと浮いて、ゆっくりと足が地面についた。

アストリッド「もっと、マシな方法は無かったのか?」

黒衣の火防女「……こちらへ」

 そう言うと黒衣の火防女は奥へと進んでいく。
 やれやれと言わんばかりにアストリッドは手を広げ、後を追う。





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