過去ログ - ロロナ「深淵歩きのアルトリ……アル……アーくん!」 アルトリウス「」
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396: ◆rMzHEl9LA2[age saga]
2013/09/14(土) 23:20:27.74 ID:lgfc7CgK0



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 アルトリウスは運が悪い方であった。
 例えば、アルトリウスが椅子に座った際、何故か壊れて転倒する。今年は既に三回ぐらい転倒する姿をロロナは目撃している。
 例えば、錬金術を失敗した際、アルトリウスが錬金釜に近づいた時に丁度、爆発する。今年は十回ぐらい真っ黒な姿をロロナは見ている。
 例えば、『地方に遠征するだけの簡単な仕事』と聞いてたが、実際は暗闇の中を何ヶ月も飲まず食わずで彷徨う仕事になったとか。
 これは本人から聞かされた話なので、ロロナは詳しくは知らなかった。
 ロロナが知る限り、一番、酷かったのは錬金術の材料を採取しに『センの遺跡』へ初めて行った日だった――。


ステルク「――ここだ」

 ステルクに案内されてアルトリウスと共にやってきたロロナはセンの遺跡の大きさに驚いた。

ロロナ「うわぁ、大きい……」

ステルク「中は薄暗く、危険なモンスターが住み着いている。暗くなる前に済ませた方がいいだろう」

ロロナ「あ、はい!」

 先頭をステルクが、その後ろをロロナ、アルトリウスと遺跡の中へと入る。
 奥へ進み、薄暗い柱を横倒しにしたような細い橋のある所に出る。
 ロロナが天井から四つの大きな刃がぶら下がっていることに気づいた。

ロロナ「あ、あれって……」

ステルク「この遺跡の罠だ。もっとも、今は錆び付いて止まってしまっている」

ロロナ「そ、そうなんですか……なら、安心ですね」

 崩れる可能性を考え、ステルク、ロロナと順々に橋を渡り向こう側へと行く。
 最後にアルトリウスが橋を渡り始める。

 ――ガチャン!!

 音の後、大き刃がアルトリウスの頭上から落ちてくるのが見えた。

ロロナ「アーくん!!」

 アルトリウスが橋の後方へと下がる。
 大きな刃が橋の一部を砕き落ちていった。
 心配しているロロナを見て、アルトリウスは言った。

アルトリウス「ロロナ、大――」
 
 言い終える前に、ゆっくりとロロナの目の前でアルトリウスは落ちていった。
 一部が砕けたことで脆くなった橋がアルトリウスの重さを支えることが出来ず、足元が崩れたからだ。

ロロナ「アーくんがぁあああああ!?」

 ロロナの声が遺跡内に響いた。


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