1: ◆Hh5XlZF2el.N[saga]
2012/12/02(日) 00:40:27.02 ID:3iBpGK/O0
「え?」
いつものように、まだ布団にくるまっているであろう
お兄ちゃんを起こしに行ったら、冷たくなっていた。
SSWiki : ss.vip2ch.com
2: ◆Hh5XlZF2el.N[saga]
2012/12/02(日) 00:41:37.48 ID:3iBpGK/O0
呼吸もない。
脈もない。
試しにつねってみても反応なし。
3: ◆Hh5XlZF2el.N[saga]
2012/12/02(日) 00:42:34.35 ID:3iBpGK/O0
悪ふざけなんでしょう? そうでしょう?
私は心の中で何度もそう呟く。
でも、お兄ちゃんは目を覚まさない。
4: ◆Hh5XlZF2el.N[saga]
2012/12/02(日) 00:44:19.50 ID:3iBpGK/O0
そして、そっと唇を重ねた。
「……ん」
5: ◆Hh5XlZF2el.N[saga]
2012/12/02(日) 00:45:15.47 ID:3iBpGK/O0
「どう……して?」
涙が頬を伝う。
どうしてお兄ちゃんが死んでしまったのか……頭の中はそればっかり。
6: ◆Hh5XlZF2el.N[saga]
2012/12/02(日) 00:46:08.06 ID:3iBpGK/O0
違うよね……?
あれは仕方なかったんだよ、お兄ちゃん。
あれはあの女が悪いんだよ?
私からお兄ちゃんを引き離そうとしたあの女が悪いんだ。
7: ◆Hh5XlZF2el.N[saga]
2012/12/02(日) 00:47:05.07 ID:3iBpGK/O0
むしろお兄ちゃんがあの女に誘惑されないようにするために、
私は頑張ったのに。
それなのにお兄ちゃん、この世の終わりみたいな、絶望した
顔するんだもん。
8: ◆Hh5XlZF2el.N[saga]
2012/12/02(日) 00:48:17.76 ID:3iBpGK/O0
だからね、お兄ちゃん。
私はちっとも悪くない。
悪いのはあの女。
9: ◆Hh5XlZF2el.N[saga]
2012/12/02(日) 00:49:09.45 ID:3iBpGK/O0
けど、どれだけ私が願っても、どれだけ時間が経っても
お兄ちゃんは 目を開ける事はなかった。
お兄ちゃんのベッドの中で、冷たいお兄ちゃんに寄り添いながら、
長い間、私は泣き続けたのだった。
10: ◆Hh5XlZF2el.N[saga]
2012/12/02(日) 00:50:04.59 ID:3iBpGK/O0
――それからどのくらいの時間が経ったのか、正確には覚えてはいない。
でも、きっと丸二日くらいは、飲まず食わずそのままの状態だったんだろう。
私はふと起き上った。
お腹がすいたんだった。
214Res/90.15 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。