858:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/07(日) 03:27:04.86 ID:1eH1n7KF0
限りなく無に近い深淵がそこには広がっている。
そのひどく殺風景な地平の中心で、まどかは無言で俯きながらたたずんでいた。
かつて、そこには光に満ち溢れていた。
それが今では深い闇へと取って代わり、彼女の心から希望は消え去り絶望が支配していた。
まどか「……」
きつく唇を結んだまま少しだけ顔を上げる。
その視線の先で、一条の光が遥か果ての見えない天上から降り注いでいる。
それは、この絶望の中で唯一残った希望の光、そして一縷の望みに他ならない。
まどか「……」
光の下へと向かって歩きだす。
一歩一歩、重い足を引きずりながら
光の中心に居るであろう人物の近くへと。
まどか(……)
円形に降り注ぐ光と、無限に広がる闇の境界で立ち止まると
見下ろす視線の下で、艶やかな黒髪が無造作に地面に拡がっている。
一人の少女が仰向けの状態でまるで人形のように静かに眠っていた。
まどか「ほむらちゃん……」
まどろみの中にいるその少女の名前を呼ぶ。
当然のごとく返事は帰ってこなかった。
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