932:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2013/11/17(日) 14:24:58.73 ID:RM9HTYuF0
魔獣「……でもね、ほむらちゃん」
背中越しに顔だけが振り向く。魔獣が模すのは可愛らしいまどかの笑顔。
魔獣「私はほむらちゃんを否定したりなんかしないよ?」
ほむら「……っ」
その柔らかい表情と懐かしい声の抑揚。
それがたまらなくほむらの神経を逆なでする。
魔獣「人は誰だって希望無くしては生きてはいけないものね」
魔獣「だから私があなたの中で燻っている欲望を満たしてあげる。私があなたの汚れきった願いを叶えてあげる」
魔獣「その手の中に辛うじて残った理想を、そのまま開くことなく閉じるというのなら、世界をあなたの望む一つの終幕へと導いてあげるよ」
ほむら「……」
いつのまにか使い魔がほむら達を取り囲み、何対ものペアになってワルツを踊っていた。
重なりあうシルエットは互いに首を絞め合っている。
ほむら「……私は」
ほむら「……私はそれでも……構わない」
ペアの片方、長髪の影が一斉に赤い涙を流しながら半月状に口をひらいて、もう片方の使い魔を絞め落とした。
踊りは終わることなく続いている。
魔獣「あはっ」
同じ表情で魔獣が笑う。
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