過去ログ - ほむら「願いの果て」
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960:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2013/12/04(水) 23:48:53.21 ID:T5gfInHm0
 
虚無空間に浮かぶまどかと魔獣の複合体が、苦しそうに体を丸め呻き声を上げている。
両手で抑えるその胸で黒く光るソウルジェムに突如として矢が身体の内側から突き立った。

穿たれた矢に引っぱられるようにして、手をダラリと後方へ投げ出し目を見開きながら仰け反ると、
魔獣は不気味に笑った顔と全身を硬化させ
絶命したかのように、そのまま指一つさえ動かなくなってしまった。

矢の先からほとばしる紫と桃色、淡い光を放つ二つの粒子が、空間の彼方に二重の螺旋を描いて伸びて行く。


QB「鹿目まどかの願いの矢。それが今、魔女となった彼女自身を貫いた」

QB「この瞬間、始まりと終わりを繰り返す閉じた宇宙が完成した。やはり、結果は最悪をもってその終幕を迎えてしまったようだ」


一連の様子を眺めていたキュゥべぇは、予想が的中してなお淡々と無感動に状況を整理する。


QB「やれやれ……こんな辺境の惑星の、それもたかだか二生命体がこれ程までに途方もない事象を引き起こすとはね」

QB「人類の……いや、君たち二人の感情というものを甘く見ていたと言わざるを得ないようだね」


矢の先で、絡まり合っていた二色の光が先端徐々に解れいき、
若葉が芽吹き成長するが如くそれぞれの光は枝分かれして、仄暗い空間の隙間を埋めて行く。


QB「暁美ほむら。愚行とは言え、宇宙の在り方に干渉してみせた君に僕らはある種の敬意すら覚えているよ」

QB「数多の命と宇宙の未来、その多くの犠牲の上に成り立つ次の宇宙は、暁美ほむらと鹿目まどか、たった二人の為だけに用意される世界だ」

QB「ならば長い付き合いだ、他の存在の意識と意味が消失してしまうその前に、僕らが代表して手向けの言葉を送ろうじゃないか」

QB「君達二人の為だけの世界。せめて、その永遠の時の中で二人が幸せであり続けることを願うよ」


混じり合った二色の光が闇を覆い尽くすと、空間全体が魔獣の身体を中心にして収縮していく。

その特異点の中で渦巻く無から強烈な閃光が無限に四散し、空間を押し広げる。

宇宙の外郭が形成へと至る。

全てが滅び、全てが生まれる。

永遠の死と新生。

誰かの想いを果たす為に、新たな世界の幕が、再び開く
 
 



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