過去ログ - 春香「私と真がアイドルトーナメントで戦う?」
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/03(月) 01:06:54.46 ID:WwFVqrwt0
パンッ、と乾いた音と共に、春香の顔の真横を真の抜き手が貫いた。

千早との特訓が功を奏したのか。その速さには慣れていると言わんばかりの余裕を持った挙動で真の一撃をかわす。
かわし切った、はずだったのだが――

「拳が、伸びた……!? いや、もともとそういう射程だったのね。見誤ったのは私の方、と」

頬に伝う血を拭いながら春香が呟く。
かわした。そう思った春香の顔を飄風の刃――音の壁を超えた拳速により生じたソニックブームが捉えていた。
手の射程は間違いなく春香の目測通りだった。ただ、その一歩先を読むことができなかった。

手加減は不要。目の前の相手にそんな真似はできない。
相手は生身を持って音の境界を破る怪物(アイドル)だ。
そんな相手に抜く手など、春香はもともと持っていないのだ。

「……真にはいつも驚かされてばかりだね。いつだっていつも一歩だけ私の先を行く。そういうの……ずるいよねえ……?」

ガチガチのインファイター。そんな印象を持つがゆえに中距離での防御を怠った。相手が中距離で攻撃できないといつの間にか決めつけていた。
その結果がこの流血だ.今の春香には油断も慢心もない。今の会話を数分とかけずに終わらせ、その後はあっさりと栄光を勝ち取るだろう。

「僕だって今日は春香に驚かされたよ。今までの勝利がまぐれじゃないってことも十分わかった。観戦するのと、実際に戦うのとじゃ勝手が全然違うや」

けどね、と真は一度言葉を切り、挑発的な笑みを浮かべ言う。

「まだもうひとつあるでしょ? 僕を驚かせる方法が。早く出しなよ。こっちもそう気が長くないんだから!」

煽るような言葉と同時。
真の腕が。春香の脚が。軋みを上げ、不気味な変形音と共にこれまでの形から離れていく――

二重に響く筋肉が変質する音とともに、2人の少女たちが“人為変態”を開始した。


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