過去ログ - 【オリジナル】魔導機人戦姫 第34話〜【なのかもしれない】
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12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/03(月) 20:15:10.56 ID:uc/YTnbAo
クライノート<先ずは陸戦型のエージェントでも入りやすいように、
       周辺の地形を整えないといけませんね>

クリス<そうだね……。

    えっと、とりあえず大きな壁と天井でこの辺りを覆って、
    敵が大群で入り込めないようにしないとね>

クライノートの提案に思念通話で応えて、クリスは周囲の氷河で高く分厚い壁を作り出す。

高密度障壁精製のために魔力を集束させるワケではないので、軽く掴んで固めると言った感じだ。

クリス「こんな感じかな……?」

クリスは小さく息を吐きながら、自らの作り出した構造体を見上げる。

大きな壁と天井を持った巨大な雪と氷の塊……
まあ言ってみれば直径十メートル程度の半球型をした巨大かまくらだ。

さらに本陣の方角に向けて、分厚い雪壁で囲った細長い通路を造り出し、
通路以外の部分を十メートル以上深くハーフループ状に掘り下げて、
掘り下げて余った分の雪と氷でかまくらの周囲をさらに取り囲んで外堀を作り出す。

真上から見たら、アルファベットのCか目の検査表、
或いは国際規格の電源マークに見えるハズである。

これならば、飛行できない魔導機人兵ではおいそれと入り込めないだろう。

逆に万が一にも敵が中から湧き出して来たとしても、
この狭い出入り口ならば流出速度も抑えられるハズだ。

仮に内側からかまくらを破壊されても、敵は一旦、深い堀を越えなければならない。

まだ完璧とは言い難いが、それでも十分に考えられた構造であった。

クライノート<上出来と思われます、クリス>

クリス<ありがとうクライノート……>

愛器からの賞賛にクリスは嬉しそうに応えると、再び足下を見遣り――

クリス「次は、こっちだね」

――そう言って息を飲む。

九日前の研修で潜入任務は経験したが、戦闘状態での敵地潜入は初めてだ。

だが、やると言った以上はやるしかあるまい。

クリス<クライノート、浮遊制御お願いね>

クライノート<了解です、クリス>

クリスはクライノートの返事を待ってから、深く長い縦穴に飛び込んだ。


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