過去ログ - 【オリジナル】魔導機人戦姫 第34話〜【なのかもしれない】
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]
2012/12/03(月) 20:10:47.41 ID:uc/YTnbAo
クライブ「チッ……まだ勘が戻らねぇか……」
しかし、彼自身はその結果に不満のようで、苛立ったように舌打ちした。
ジルベルト「それならそれで、あまり張り切りすぎてヘバらないようにして下さいよ。
長丁場なんですから」
ジルベルトはそう言って、クライブに近付いて来た機人魔導兵の胸板を渾身のストレートで打ち抜く。
彼の戦闘スタイルはフリースタイル近接格闘戦……早い話がストリートファイト仕込みの喧嘩殺法だ。
近接戦での勝負強さを活かして、ジルベルトはクライブの直衛を任せられていた。
二人が戦闘を続けていると、
不意に頭上を空色と茜色の魔導装甲に身を包んだ年若い二人組のエージェントが通過する。
空色の魔導装甲を纏った少年の腕には、インナー防護服姿の少女が抱かれていた。
リーネを後方に搬送中にアンディとユーリだ。
後方からの敵の魔力弾に晒されながらも、
二人はいち早くリーネを安全な場所に送り届けるため飛び続けていた。
クライブ「お、アレが今回の功労賞のバッハシュタインって子か」
ジルベルト「ええ、エージェント・譲羽と同じ特務部隊に所属するSランクエージェントですよ」
興味深そうに呟いたクライブに、ジルベルトが説明する。
クライブ「エージェント・譲羽ねぇ……。
あの嬢ちゃんが今じゃSランクたぁご大層なこった」
ジルベルトの説明を聞かされたクライブは、
十一年前の事や四年前の今にも泣き出しそうだった少女を思い浮かべていた。
人間離れした膨大な魔力を持ってはいた物の、あの頼りなさそうな素人だった子供が、
今では自分程度では足下にも及ばない実力者と思うと、十一年と言う時は思った以上に長かったようだ。
クライブは感慨深く目を伏せる。
???「アンディ兄っ、ユーリ姉っ! 先に行って!」
と、その時、上空から響いた声に思わず視線を向けた。
そこには萌葱色の魔力の障壁を張り巡らせる、幼い少女が一人。
魔力波長と同じ萌葱色をしたジャケットコートの上に、
黄色い軽装プロテクターと言う魔導防護服を纏った幼い少女は、
一見してこの戦場には不釣り合いに見えた。
やや離れた位置ではあったが、そこから見えた少女の横顔に、
クライブは呆然と手を止めてしまう。
ユーリ「ありがとう、セシル!」
アンディ「セシリア、危ないからあまり前に出過ぎるんじゃないぞ!」
振り返って礼を言ったユーリに続いて、アンディも背中越しに少女へ注意を呼びかける。
セシル「大丈夫だって!」
二人にセシルと呼ばれた少女――
セシリア・アルベルトは真剣な表情の中にも笑みを浮かべて力強く応えた。
セシルがAカテゴリクラスに編入したのは去年の三月末、
今年で十五歳を迎えたアンディとユーリがプロエージェントになったのは去年の四月。
寝食を共に出来たのは一週間程度の短い間だったが、
師を喪って哀しみにくれるセシルが笑えるようになったのは、
一重に最年長だった二人の尽力もあっての事だ。
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