過去ログ - 【オリジナル】魔導機人戦姫 第34話〜【なのかもしれない】
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]
2012/12/03(月) 20:12:23.09 ID:uc/YTnbAo
ジルベルト「……先輩」
そんなクライブに、ジルベルトはやや気まずそうに声を掛ける。
だが――
クライブ「なぁ……恩赦ってのはどの程度、刑期が短くなるモンなんだろうな……」
クライブは何処か遠くを見るように、そんな言葉を呟いた。
別に今更、恩赦が欲しいと言うワケではない。
そんな物に期待する事なく、十一年を過ごしたのだ。
どんなに長く生きても、あと五十年足らずの人生。
その間、寝食に困らずに済む。
これでいいのだ、と言う諦観にも似た感情だけで、日々を過ごしていた。
たまの面会で顔を合わせる事もあり、彼のそんな感情はジルベルトも理解している。
故に、クライブにどんな言葉をかければいいのか、彼には分からなかった。
クライブ「…………さぁてっ!」
クライブは気まずくなりかけた空気を察して、
それを振り払うように大きな声を発し、さらに続ける。
クライブ「十歳になったばかりのガキの頑張ってんだ……。
大人の俺らが油売ってる場合じゃねぇわな」
ジルベルト「先輩………了解です!」
意気込むクライブに応えるように、ジルベルトは力強く応えた。
一方、父とは知らぬままクライブ達と別れたセシルは、
十数分前にはぐれたクリスの姿を探して戦場を駆けていた。
遭遇した機人魔導兵をフレイルで叩き伏せ、魔力弾で撃ち倒しながら進む。
セシル「クリス姉……どこにいるんだよぉ……」
セシルはどこか不安の入り交じった声音で漏らす。
リーネが幹部格のネーベルを倒した事や結達特務が地下に突入した事は、
確かに全体の士気を上げていた。
だが、だからと言って全ての劣勢が覆されたワケではない。
現に周囲は敵味方が入り乱れ、既に多くの負傷者も出ている。
クライブ達には強がって見せたものの、まだ僅か十歳。
実戦の経験もない少女にこの戦場の広さと凄惨さは荷が勝ちすぎた。
仲間もいるが敵だらけでもある戦場で心細さを抱えながら、少女は駆ける。
セシル「クリス姉……」
呼びかけた名前が、自身の心細さを掻き消してくれる事だけを信じて……。
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