過去ログ - 京太郎「俺は、楽しくない」
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4: ◆K7HPJB6g7s[sage]
2012/12/06(木) 12:52:35.35 ID:LmCtBHv4o

「京ちゃんだって頑張ってるんだし、あんまり言い過ぎるとかわいそうだよ」
「まったく、咲ちゃんは犬に甘すぎるじぇ」
「同感です。甘やかし過ぎても本人の為にならないかと」

 つれない二人の返事に、生来気の弱い性質である咲はたじろぐ。しかしすぐに持ち直し、大袈裟に両
手を広げながら力説した。

「だ、大丈夫だって! 京ちゃん、やる気と元気はあるんだし大会終わったから私たちも教えてあげら
れると思うし、すぐに強くなれるよ!」

 ねっと顔を向けられた当の本人は、力なく麻雀卓に突っ伏して撃沈中。先程の二人の指摘がよほど効
いた様子である。

「はぁー……」

 そんな4人のやり取りを眺めながら、卓から離れて読書をしていた眼鏡を掛けた緑髪の少女が気怠そ
うに溜息をついた。

 染谷まこ――現在の麻雀部で唯一の2年生であり、前部長の竹井久から大会後に部長職を引き継いだ
麻雀部の新部長である。本来は割と面倒見の良い先輩である彼女なのだが、優希がはしゃいで京太郎が
落ち込むというのは最近の麻雀部のお決まり。いささかうんざりとした雰囲気がその顔から見て取れた。

 彼女は、パタン、と読みかけの本を閉じ京太郎の背後へと忍び寄る。

「ったく、ちょっと言われたくらいで情けないのう。男だったらシャキッとしんさいっ!」

 バシッ!

 まこの容赦ない喝は気持ちのいい音を京太郎の背中で鳴らした。
 堪らず京太郎は悲鳴を上げる。その様子に誘われ、麻雀部はしばしの笑いに包まれた。


 平和で明るく、活気に溢れたいつも通りの部活風景。





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