11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/07(金) 22:40:32.47 ID:tiQLfAAz0
リビングにて、芳川桔梗は足を組み、腕も組み、指先を顎に当てて珍客を眺めていた。
子供達がお使いから帰って来たら、リストには無かった物が混ざっているのでそれを観察している。
「この生き物は一体何なのかしら?」
「河童ー」
「そうね。そうなのよね。……わたしは混乱しているわ」
打ち止めはタオルで河童の湿った髪を拭いてやっている。あと風通しの良くない首の裏と甲羅の中も念入りに。
一方通行と番外個体は、河童と一緒に落ちていたリュックサックから中身を出している。
ベランダに紙やバスタオルを敷き、水が効率よく捌けるように角度をつけながら色んなものを並べていった。
「マジかよ。見てよこれ、『世界河童大辞典』だってさ」
「こっちは『カッパの飼い方』だとよ……」
ハードカバーのその辞典と本は、聞いたことがない出版社の物であった。濡れているせいで開けるページは少ないが、
ちゃんとした活字が印刷されており、いかにもまっとうな学術書と思わせられる。……カッパ、カッパ書かれていなければ。
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