過去ログ - とあるカッパと黄泉川家
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682:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/08(土) 00:29:10.55 ID:6BXLE37f0

番外個体が言う以上にすぐのことだった。
山を登る一行を待ち、一方通行が石に腰かけていた。
荷物を泉の近くに置き、そのまま能力使用モードで下っていたのだ。彼は今日の早朝から、この山を行ったり来たりであった。

「キャッキャッ」

番外個体の腕から かぁたんが抜け出し、一方通行に駆けていく。お別れは嘘だったのか、という期待で。
久しぶりに、実に久しぶりに少年は かぁたんを抱っこする。

「……」
「キャハハ」

無邪気な笑顔に、言葉をかけづらい。

「わざわざ戻ってこなくても、上で待ってりゃいいものを」
「うるせェ」

かぁたんを取られた番外個体の憎まれ口。それでも子ガッパを離さず、一方通行も歩く。
杖をつく彼に合わせて、自然と速度は緩やかになった。

歩行困難な場所だけ、能力を使った。
かぁたんを抱きながらでは非常にスイッチを押し難いが、それでも降ろさないし、誰も降ろせとは言わない。

やれ紅葉が綺麗だ、あそこには春に百合が咲く、
今年は寒くなるのが遅くて良かった――水もちょっとはぬるいだろうから――など、話しながら泉を目指す。

そして、いつもならおやつの時間というあたり、カッパの泉に辿り着いた。




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