684:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/08(土) 00:34:53.57 ID:6BXLE37f0
カッパも人も静かな中で、水音と一方通行が荷物を背負う音だけが聞こえる。
ぐずぐずしていると、いつまでもふんぎりがつかないことを、経験で知っていた。
「も、もう行くの?ってミサカはミサカは……」
打ち止めが彼の裾を慌てて掴む。風呂敷包みひとつを引き受けた。
番外個体も鞄を受け取り、三人は泉のほとりに立つ。それだけで、湧き上がる水の勢いが増した。
水を潜って、未来に帰る。
常識離れした現象が、遠野家の人々にやっと現実味を帯びて感じられる。
足を浸す前に、子供達は振り返った。見送ってくれるカッパと大人達に最後の言葉を掛けようと。
もう、会えることはないから。
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