過去ログ - 【咲】京太郎「大阪に転校することになった」郁乃「その31〜」【安価】
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119: ◆LZBtCchYZY[sage]
2012/12/11(火) 20:51:54.13 ID:wSca7mNmo


ギィィ。

薄暗闇のドアが開き、動かない彼に光が差す。

入ってきたのは、影4つ。

「……京太郎くん?京太郎くーん?」

「あらら、返事せんことなってもうた」

「…やりすぎや、恭子」

「せやかて、…逃げたいなんて言うもんですから」

「…でも」

「あはは、おねーちゃん、しゃーないしゃーない」

「昨日の京太郎の様子はおかしかったからなー」

「……それとも」

「おねーちゃんも漫ちゃんや真瀬先輩みたいになる?」

「……いや、それは…」

「…んー…、京太郎と一つになれるんはすっごい幸せやと思うんやけどなぁ?」

「私も、……ふふ、いろんな所、食べさせたもんなぁ…」

「……………」

狂っている、と。包帯だらけの妹が嗤う姿を見て、愛宕洋榎は考える。

妹は―愛宕絹恵は、こんな子では無かったはずだと。

「ふ〜ふ〜ふ〜…」

「…何やっとるんですか?監督?」

「ん〜…京太郎くんの血を舐めてますっ!恭子ちゃんもどう?」

「あはは、吸血鬼やないんですから」

「吸血鬼って…酷いなぁ〜」

2人の笑い声が暗闇に響く。

やっぱり、狂っている。

けれど、きっと一番狂っているのは自分。

だって。

「…はいはい!そこまでやそこまで!勝手に触るな!」

「お、主将復活ですか」

「あったりまえやろ!」

今、この状況が幸せだと。そう思ってしまうのだから。

「さて―」

私は、今日も目の前の京太郎を見つめて言う。

「――何を、しようかな?」

――ああ、幸せだ。


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