過去ログ - 比企谷八幡(22)「やはり俺の就職活動は間違っている」
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971: ◆WgEe92oiKArO[saga]
2013/03/16(土) 20:14:20.87 ID:jqtu/UaP0
陽乃「ふふ……笑いどころだと思うんだけれど……それはちょっと笑えないわね」

八幡「おや、面白くなかったですかね?」

渾身のギャグだったのだが。俺も道化としてはまだまだらしい。

陽乃「……ハッタリに聞こえないもの」

陽乃はそれきり口を閉じ、こちらを値踏みするように睨んでいる。

ちなみにギャグの語源は、口をふさぐ「猿轡」からきている、らしい。


仕方がないので、俺がしゃべることにした。

八幡「陽乃さん、また………『わかったようなこと』を言わせて貰いますが」

陽乃「……どうぞ?」

八幡「実際、あんたも意外と律儀なひとですよね。俺も少しばかり、貴女への認識を改めましたよ」

肩を竦める俺に、陽乃が恍けて問いを返す。

陽乃「……何のことかしら」

八幡「……この、茶番の真意です」

陽乃「…………」


八幡「……俺という人間にいろいろプレッシャーをかけて試そうとした、というのが半分。残りの半分は……」

陽乃が何も言わないのをみて、続ける。

八幡「……自分という人間、雪ノ下陽乃という人間に仕えるということがどういうことかを示して……その上で判断するチャンスを、俺にくれたんでしょう?」

ふぅ、と息を吐いて首を振る。


八幡「……とはいえこんな、剣で打ち合うとかいう形で示すのは、ちょっとどうかと思うんですけどね、ええ」

陽乃「身体で分かってもらうのが、一番手っ取り早いと思ったのよ」

陽乃がくすりと笑いながら、俺の推測を肯定した。何その、超体育会系の論理……ブラック職場にもほどがある。俺、痛いのとか超苦手なんですけど。顔が引きつるのを自覚した。

陽乃「それで、何か感じとってくれた?」


八幡「そうですね……文字通り、痛感しましたよいろいろと」

痛みを感じると書いて痛感。もしくは痛いほど感じる、イタさを感じるでも可。

あらためて……雪ノ下陽乃という人間は、規格外だ。類まれなカリスマ性と

八幡「言いたいことは多々ありますが、それは後程、ゆっくりと……いや、今は、ひとつだけ」

陽乃「何かしら?」

八幡「さっき、俺は貴女のことを律儀だと言いましたね」

陽乃「……ありがとう。ちょっと、新鮮な評価だったわ」

互いに微笑を交わす。

八幡「だが……それと同時に、反吐が出るほど傲慢だ」

陽乃「そうかしら? たまに言われるけれど、あまり自覚はないわ」

微笑はそのままに。

八幡「その律義さに免じて、俺も機会をあげますよ。比企谷八幡という人間と……自分の傲慢さを知る機会を」




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