過去ログ - 娘「うーん、困った」
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16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/09(日) 17:07:58.81 ID:MoVWLVw/o
―――しばらく後

娘「えい! せや!」ブン

剣士「そうそう、良い感じー」

娘「えへへー、照れます!」

剣士「田舎町を出てきた頃とくらべるとまるきり別人のようだ」

娘「師匠が腕利きですから!」

剣士「はいはいどうも」

剣士「それでね、そろそろ君も独り立ちしていいと思うんだよ」

娘「ホントですかっ!」

剣士「そこら辺の盗賊なんかにはまず負けないくらいだろうし、魔物に対してもよほど強いものじゃない限りは大丈夫だろうしね」

娘「最近の魔物は特に撫で斬りです!」

剣士「それは目的地の関係もあるんだけどね」

娘「えっと、次に向かってるのってどこでしたっけ……」

剣士「『王都』だよ。この国の中心。魔界からの瘴気も薄いから魔物も比較的弱い」

娘「なるほどですね!」

剣士「後は唯一つの条件をクリアすれば……」

娘「条件ってなんですか!?」

剣士「ちょうどいい機会かな。おーい、そこの人達出てきてよ」

ゾロゾロ……

野盗「へっ、いつから気づいてやがったんだ?」

剣士「そりゃもう最初から」

娘「私てっきりウサギさんか何かかと!」

剣士「……そこら辺も教えてから独り立ちかなぁ」

娘「そんな!」

野盗「ま、俺らが言いたいことはわかるだろ?」

剣士「有り金全部置いてけ、みたいな?」

野盗「50点だ。そこの娘っ子もおいてきな」

娘「わわっ、私狙われてます!」

剣士「みたいだね。さぁ僕らは絶体絶命だ。いくら腕が立つとはいえ僕一人ではこの人数に太刀打ち出来ない」

野盗「ま、勇者様でもないかぎりは剣一本じゃ無理だろうな」

剣士「ということはどういうことだと思う?」

娘「私にも手伝えってことですね!」

剣士「その通り。旅の最中で一番大事なことは躊躇わないことだ。そうじゃないと自分が死んじゃうからね」

娘「分かりました! 私躊躇いませんよ!」

剣士「いい心がけだ」

野盗「作戦会議は終わりか? 待ちくたびれたぜ」

娘「待ちくたびれついでにもう少し待ってもらえませんか! 私の剣は馬車の中なんです!」

野盗「嬢ちゃん、戦うのかよ! いいぜ、待っててやるよ」ヒヒヒ

剣士「うん、空気の読める良い悪役さんだね」

野盗「この稼業はそうじゃなきゃやってらんねえのさ」

剣士「だからこそ、残念だなぁ」


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