43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/01/05(土) 23:49:32.63 ID:LW1OllRao
―――魔術師の国 酒場
店員「いらっしゃいませー。ってまた女の子か。君まで勇者とか言い出さないよね?」
娘「私は至って普通の女の子ですよー?」
盗賊「その口ぶりからして、勇者もここに?」
店員「ええ、来ましたよ。話聞きたいですか?」
盗賊「それはもう」
店員「それならご注文をどうぞ。三名様ですね」ニッコリ
娘「私はホットミルクです!」
エルフ「私はそうねぇ……葡萄酒をいただけるかしら?」
盗賊「俺はウイスキーだ。席に案内してくれ」
店員「それではこちらへどうぞ。ご注文の品を持ってきますんでそれまで待っててくださいね」
娘「はーい」パタパタ
盗賊(子供っぽい)
―――
――
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店員「はい、お待たせしました」ゴトン
娘「わーい!」バタバタ
エルフ(子供ね)
盗賊「それで、話を聞かせてくれるんだろ?」
店員「それはもう。さながら吟遊詩人のごとくお話しますよ」
エルフ「あら残念。ハープでもあれば私が弾いたのだけれど」
店員「あはは。それは又の機会といたしましょう。それではご清聴を……」
―――
――
―
勇者がこの街に来たのは4日前。出発したのは一昨日です。
え? 滞在期間が短いって? まあまあ理由はおいおい。
勇者1人ってわけじゃなくてもう一人仲間もいたんですけど――あ、これは知ってる。左様ですか。
まあそれで、宿をとった彼女らはまずウチに来たんですよ。
開口一番、『困ってることとか無いですかっ!?』とか聞かれちゃって。
まああるにはあったんですけど勇者やってる人に頼めることじゃないのでお断りしました。
あー、その仕事があなた方に依頼できないかって? できるかもですねぇ。後で確認しておきます。
で、実は用事はそれだけじゃなかったんですよ。
『魔術が使える仲間を探してるんです!』ときた。
そりゃあこの国ほど魔術に長けた国はないですからね。
この話を聞いたウチの店長が王様のところにすっ飛んでくのは中々に見ものでしたね。
勇者様の旅のお供ですから、もう国中大わらわだったんですけどね。
翌日の昼ごろになって宿屋を訪ねてみてびっくり!
既に出発したときました。
なんと、勇者が『気に入った』という理由だけで決めてしまったらしくて、気まずいからこっそり出国したってわけだそうです。
あ、これは番兵から聞いた話ですよ。推測とかじゃありません。
お陰でうちの国じゃ勇者はすっかり厄介者扱いです。
とまあ、顛末はこんな感じですね。
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