過去ログ - 言うほど新しくもないジャンル『狸娘』
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166: ◆My48Vfouj.[saga]
2012/12/24(月) 01:02:31.45 ID:75Ge5Z8AO
……ざーっ

男「……っ、雨かよ……」

がさがさ

男「狸娘…………」

男「……うわっ！」

ずるっ！

ずざざっ！

……ばっしゃぁん！

男「……くそっ！」

男「(雨はいつしか、少し先すらも見えないぐらいの土砂降りに
なっていた)」

男「(それでも何故か……ここを立ち去る事が出来なかった)」

……………………

男「(いつの間にか、雨は上がっていた)」

男「(寒い風が、俺の体から体温を奪う)」

ぱしゃ……

ぱしゃ……

男「(今更……家に帰ったって、誰もいないのに……)」

かつ……かつ……

男「(髪から滴る雨の水滴が、階段に染みを作る)」

男「(俺は、顔を上げた……)」

男「…………っ！」

狸娘「……あっ！男さん！」

だっ

がばっ！

男「お……お前……」

狸娘「ふえーん！」

男「ど……今までどこに……その袋は……ドングリ？」

狸娘「ぐすっ……あの、初めて来た時にドングリが美味しいって
言ってくれたから……もうすぐ男さんの誕生日だし……山にドングリ
取りに行ってたら道に迷っちゃって……匂いたどって帰ろうと思ったら
雨降って来ちゃうし……」

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