10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/12/15(土) 11:42:35.42 ID:N4OTUWdN0
そうそう、そうだった。
いぬ美を動物病院に連れて行く途中でプロデューサーの仕事がどんなものかって話になって、
それで765プロが自分のプロデューサーをやらせてくれだなんて言い出したんだった。
「765プロ、春香の方はどうするつもりなんだよ」
そうだ、765プロには担当アイドルの春香がいるはずなんだ。だから、自分のプロデュースなんかする意味なんかないはずだ。
「もちろん、春香のプロデュースは継続するさ。ただ今週はオフにしてあるんだ」
「えっ!?」
アイドルが休みをとる? 信じられないぞ。
だって、アイドルなんだから周りにはライバルばっかりなんだから活動し続けないと
ファンにアピールし続けないと、あっという間にライバルに抜かれていくぞ。
765プロ、IU本選に進んだからって気が抜けているんじゃないのか?
そんなだらしない人が、自分のプロデューサーにつくのか。
断った方がいいかも……
「ここのところさ……」
自分がそんなことを思っていると765プロは少し申し訳なさそうな、暗い顔をして話し始めた。
「生放送だ、武道館ライブだ、特別オーディションだ、IUの予選会に出場するためのファン数を獲得するために、春香にはオーバーワーク気味で仕事をやらせちゃっていたんだ」
IUの最終予選、それに出場するためにはかなりのファン数が必要なのは自分も黒井社長から聞いているぞ。
まっ、カンペキな自分にとっては大したことじゃなかったけど、765プロみたいな貧乏事務所は苦労したかもな。
「それでいて、昨日の本選の出場をかけた戦いだったろ。
勝ったからよかったけど春香にはかなり重たいもの背負わせてしまってたから、
張り詰めたものを一旦緩んでもらおうと思ってたんだ」
「でも、それじゃあ休んでいる間にライバルに先を行かれちゃうぞ」
「しっかり休んだ後に、しっかり追いついてやるさ」
「ふーん」
そういう考え方もあるのか。765プロも色々と考えているんだな。
「春香がオフのこの一週間だけ……そうだな、響にとってはお試し期間だな」
「お試し期間……」
「そう、765プロのやり方を通して響が何かを感じ取ってくれれば嬉しいよ」
できることなら、961プロを離れて欲しいけど……と小さく言う765プロ。
本当にそればっかりだな。
「765プロ、何か企んでいるんじゃないだろうな?」
「そんなことはないって……信用ないんだな、俺」
変態事務所の変態プロデューサーなんだから当然だよ。
でも……
「そうだね、貴音も言ってたんだ。オノレノケンシキを広めるのは良いことだって」
「貴音……あの銀髪の子か」
「それって見方を変えてみたり、別の方法をやってみるってことでしょ?」
「まあ、そういう意味だな」
「だったら、ちょうどいい機会なのかも」
「それじゃあ……」
「うん、一週間……一週間だけ765プロに付き合ってやるぞ」
「そっか……ありがとうな、響。こっちの急な申し出を受け入れてくれて、とにかく一週間、よろしくな」
「自分は、765プロのやり方に付き合うだけだ。765プロと馴れ合うつもりなんて全然ないんだからな」
「わかってるよ」
うぅ、なんでそんなニコニコしているんだ、765プロ……
「ほら、さっさといぬ美を動物病院に連れて行くぞ!」
「あっ、待ってくれよ、響!」
こうして、自分と765プロの一週間が始まったんだ。
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