過去ログ - P「君と過ごす1週間」
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13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/12/21(金) 11:00:42.97 ID:jgx6OY5n0
「待たせたな、765プロ」
「おっ、終わったか」
「765プロ、病院の外で何してたんだ?」
「たいしたことじゃないさ、少しな」

響が動物病院にいぬ美を預けている間、俺は高木社長に響のプロデュースについて連絡していた。
初めは何事かと驚かれたが、俺の考えを話すうちに俺の意図を理解してくれたようだ。
高木社長自身も響のことを気にかけているみたいだし、少し渋い声をしていたが了承してくれた。

「それで765プロ、自分をプロデュースするっていうけど具体的にはどうするんだ?」
「そうだな……とりあえず初日だから、まずは響の実力を知りたいかな」

IUの予選でも、いつも先に合格されて遂には本選まで直接対決することはなかった。
もちろん、テレビで響の姿は何度も見ることはある。
でも、それはあくまで画面越しであって間近で見る機会はなかった。
響の実力を知るチャンスは何度かあった。
765プロの下に送られてくる961プロからのオーディションへの招待メール。
大手芸能プロダクション961プロが参加するということもあってか、合格すればかなりのファンを獲得できる番組のオーディションだった。
魅力的ではあったが、高木社長は罠の危険性が高いと、俺に忠告をしてくれたこともあってメールは無視していた。
そういった事情もあってか俺自身、響の実力はほとんど知らないようなものだった。

「自分の実力か。でも765プロ、今更そんなの知る必要なんてないと思うぞ」
「それは、またどうして?」
「トップアイドルになる! それが自分の実力だぞ!」

目の前で胸を張って、堂々とそんなことを言う響。
正直、驚いた。
春香を含めて、予選という篩にかけられて名実共に実力者が周りにいる。
そんな先頭集団の中にいるというのに、響は物怖じせずに自分がトップアイドルになると言ってのけた。
それどころか、自分がトップアイドルになることを当然のように信じて疑っていない。
このある種の傲慢さ、961プロは王者を育てる場所と言われているが、確かに響の自分に対する絶対の自信は王者に相応しい。
そんな響の、その圧倒的な自信に、王者としての風格に、俺は言葉を奪われた。

「……」
「どうした、765プロ。ボーッとして」
「あっ、いや、何でもない。それより響、言いたいことはわかるけど、それだと漠然としすぎている」
「ええ〜、だって本当のことだぞ」
「さっきも言ったけど、プロデューサーの仕事はアイドルに的確なアドバイスをすることだって言ったろ? そうなると、やっぱり細かいところまで知っておかないと、的確なアドバイスも何もないからさ」
「それは……まあ、そうだね」
「よしっ……それじゃあ、レッスン場へ向かおう。場所は、普段765プロが使っている所でいいよな」
「あれ、961プロが使っている場所じゃないのか?」
「そこだと黒井社長が来るかもしれないだろ」
「あっ、そうだね。黒井社長に765プロと一緒にいるところなんか見つかったら、また怒られちゃうぞ」



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