18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/01/12(土) 13:08:07.56 ID:MQ9fRjEa0
レッスンが終わり帰り道、俺と響は動物病院に預けてきた、いぬ美を連れて歩く。
もう外は暗いせいか、人の通りも少ない。また無様なカニ歩きをしなくてすむことにちょっと安心した。
「あー、踊ったぞ」
隣にいる響は楽しそうに笑う。あの後、響はレッスン場が使える時間いっぱいまで踊り続けた。
本当にダンスが好きなんだな。というか、あれだけ踊り続けられるなんてすごい体力だな。
「自分、毎朝動物たちの散歩ついでにトレーニングしてるからな!」
「というより、逃がした動物を追いかけているだけだろ」
「なっ……そんなことないよ」
たじろぐ響をみて、俺の指摘が図星だと確信した。
……わかりやすい奴。
「響、きょう一日俺と、プロデューサーと過ごしてどうだったかな?」
「どうだった……う〜ん、そう言われても自分よくわからないよ」
響は頭をかきながら言う。
嘘を言うような性格でもないと思うので、よくわからないという響の言葉は率直な感想なのだろう。
「そうか、よくわからないか。そうだよな……」
「うん……」
765プロのやり方は、アイドルとプロデューサーの間で信頼関係を築いていくことで、二人が成長していく。そういう狙いがあるということを、高木社長から聞かされていた。
だが、信頼関係は一朝一夕で出来るものではない。長い時間をかけて築き上げるものだ。
普段から一緒に活動している春香ならともかく、これまでIUの予選会や俺が寄り道をした時にたまたま出会った響とでは一緒にいた時間が大分違う。(まあ、俺の申し出を聞き入れてくれるほどには信頼関係はできているが)
だから、きょう一日765プロのやり方を経験したからって響の中で何かが変わることなんてないのかもしれない。
よくわからないという感想も当然だと思えた。
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